突如行方を眩ましていた魔女グリゼルダですが、数多くの冒険者に依頼を持ち掛けるべくブリタニア各地に弟子を派遣しました。

その日、私がトランメル世界スカラブレイの街を訪れるとローブ姿の若者が必死に冒険者を説得している姿が目に入った。彼の名前はシェリダン。どうやら最近姿を見かけない辺境の魔女グリゼルダの弟子らしい。一体グリゼルダは何人の弟子を囲っているのやら。

いつもいらっしゃる場所です。
ゲートをお出しします。どうかお願いします。
必死にお辞儀しつつもゲートトラベルの呪文を詠唱して強引に冒険者説得にあたるシェリダン。ゲートが目の前に開いちまったら入りたいのは人の性。私もフラフラっとゲートの中に吸い込まれていってしまった。

またぞろぞろと来たねえ
ゲートを潜った先にあったのは一軒の見慣れたボロ屋、冒険者に依頼を持ち掛けては欲しくもない大鍋を報酬と称して押し付けてくる老魔女グリゼルダが廃墟と言っても良いボロ屋の中央で踏ん反り返っている姿があった。最近姿を見なかったが別に引っ越ししたというわけでもなく古巣に戻ってきたようだ。

このオークめが ! *しっしっ*
お呼びじゃないんだよ ! *しっしっ*
鍋に放りこんじまうから !
私が廃屋に入った途端、唾が飛んで来そうな程の声でグリゼルダは私を罵倒・・・オーク砦の近くに住んでいるというのにお隣さんと仲良くするという発想は持ち合わせていないようだ。

あんたらもあの役立たずの弟子どもに連れられてきたのかい
はーん、なるほどねえ
そう言うとグリゼルダは集まってきた冒険者をジロジロと品定めし始める。
Amraam: なんか、力を欲しいというようなことだったが?

んん、まああたし一人でもどうってことはないんだけどねえ
Alice: ああそうなんだ、じゃあ帰りますか。

ちっと手が塞がってるからねえ・・・とお待ち !
いいから黙ってそこに座ってなよ !
退屈だってんならネズミでもかじってるといいよ
Siel.: 椅子、全部壊れてるよ・・・
Alice: ひとりでもだいじょーぶなんでしょーーーー???

う、うるさいね !お黙りと言うんだよ !
そうさ、あたしゃ忙しいんだ
あんた達の無駄口に付き合ってる暇はないんだよ
ま、呼びつけといて待たすのも具合が悪いしねえ・・・
弟子どもが帰ってきたら用事を言いつけてやるよ *ひっひっ*
冒険者に愚痴をこぼしつつ大鍋の前でぷちぷち、ごそごそと何かやってるグリゼルダ。でも大鍋の中身は空っぽなんだよな。耄碌(もうろく)婆さん、そこでやっと鍋の中身が無いことに気づいたようだ。

また鍋の中身が無くなってるよ
これ、そこのオーク !
Siel: なんだい?

お前、食べたんだろう
Siel: *びくっ*

正直にお言い、ほれ!
Siel: 馬鹿な!オーク臭はけしてたはず *がたがた*

口も利けなくなるような姿に変えられる前に白状しな !
Siel.: *白状しまくった*
グリゼルダにジロリと睨まれては食べてなくとも白状せざるを得ない心持ちになっちまう。そもそも何が入っているのかも判らない中身を食ってたら今晩は腹痛で寝込んでるはずだ。
Siel.: *脂汗が滲んだ*

お前か、ひょっとしたらと思って
カマを掛けてみたら・・・全く手クセが悪いったらないよ !
くどくどと説教されたが、口のきけなくなる姿にはされずに済んだようだ。

ああ・・・なんと言ったっけねえ・・・
弟子どもはまだなのかねえ
Amraam: シェリンドン……だったか、さっき見たのは

どこで道草食ってんだろうねえ
そうそう確かそんなんだよ、そんな名前だったねえ
Alice: 弟子の名前すら覚えない師匠。

うるさいね !いちいち覚えてられるかい !
あたしゃ機嫌が悪いんだよ *イライラ*
Alice: だからって八つ当たりせんでも…
グリゼルダにとって弟子とは使い捨てのパシリといった扱いだな。ここでグリゼルダが廃屋を無心に歩き回り始め、ブツブツと呪詛を呟き始めた。

Amraam: えらく不穏当なことを口走ってるな……
Vatz: 女ってだれだ・・・

女は女さ !あの性悪のことだよ !
お前達を呼びつけたのは
あたしのちょっとした用事を言いつけるためさ
Minori: こんなにパシリが必要なの?

ああ、そうさ
今日のはちょっとばかり
骨が折れる仕事になるだろうからねえ
だからといってこんな大勢を集める必要があるのだろうか?まぁいつも大勢に同じような依頼をしてるグリゼルダではあるが同時にここまで大勢に使いっぱしりをさせた事などなかったはずだ。

あんた達みたいなのろまは、
五人も集まって一人分の働きだからね !
Minori: 耄碌魔女に言われてもねぇ・・・

誰が耄碌婆だって !
何やら罵倒合戦が繰り広げられ始めたブリタニアの片田舎。そこへローブ姿の男が二人、こそこそと廃屋の中を覗き見しつつ物陰に隠れていた。片方はスカラブレイで出会ったシェリダンという弟子、という事はもう片方も同様にどこかの街で冒険者をだまくらかしてここへ連れ込んだ弟子ということか。


*もじもじ*
せせせ、先生だ・・おこられる
おこられるよ・・
うう・・・カエルだけは・・・

勘弁・・どうしよ・・

こ・・・こわひ・・・
二人してガクガク身を震わせており、廃屋に入ってくる勇気すらないようだ。しかしながらグリゼルダは早々に二人が戻ってきたことに気づいていた。


どこだい、シェリダン !そこでなにやってんだい。
とっとと出てきな !もたもたするんじゃないよ !

はい!!!!

は・・・はいっ

先生、ぼっくら、がんばりました・・

あん?ぼんくらがなんだって

耄碌婆の耳には喧嘩を売っているように聞こえるらしい。縮み上がってまともに言葉も発せられずにいる二人を睨み付けている。

は・・・はわわわわ

だだだだから、カエルだけは、ど、どうか・・

か・・・かえ・・・かえるだけは、ご勘弁を!!

はん・・・ま、ろくでなしのあんたらにしちゃ上出来だろ
今日のところは勘弁してやるよ
グリゼルダの許しの言葉に感謝しまくる二人。わざわざ魔法で蛙にされんでも、お前ら既に充分蛇に睨まれた蛙そのものになってるよ!

じゃ、昨日言いつけといた仕事にかかりな !
休む暇なんてないからね
ほらほら、とっとといきなっ
グリゼルダからの許しの言葉を聞くや否や慌てふためいてその場から逃げ出す弟子二人。不機嫌極まりないグリゼルダの矛先は再び冒険者一同へと向けられることとなった。

さあてと、あんたらなんでここに呼ばれたかは分かってんだろうね、ええ ?
弟子どもから聞いたろう ?
Amraam: 力を貸して欲しいとだけしか聞いてないが

なんだってえ !
ったく、しょうがないねえ・・・
それじゃいいかい、その耳かっぽじってよくお聞きよ
今日はちょっとした使いに入ってもらう。
こんな大勢をかき集めてくる「ちょっとした使い」がどんなもんなのか不安が過る。グリゼルダはぷるぷると身体を震わせながら冒険者たちに八つ当たりを始めた。

あの女・・・・ !あの性悪女、魔女なんて名乗るのもおこがましい!
おの性悪があたしの研究を盗んでったんだよ !
昔っからそういう女だったけどねえ・・・
ちょっと留守にしたら、このざまさ
Vatz: 何の研究?

そんなのはあんたの知ったことじゃないよ !
あの研究はねえ、あたしのものなんだ
あたしだけのものなのさ !
ブリタニアの魔法はブリティッシュ王政によって厳しく統制されているはずなんだがな。最近はネクロマンシーだとかいろいろな禁呪が出回ってるし、王政弱体化も深刻なこった。
Amraam: で、その研究とやらを取り戻せばいいのかい?

そうさ、ちっとは賢いのもいるみたいだねえ
*ひっひ*

あの女、ピュアフォレズ、って言うんだけどねえ
あいつがいる場所はもう分かってるんだ
あたしから逃げようたってそうさいかないさ !
あたしゃここで待っているからね
今から見せるルーンの先におんぼろの汚い、臭い、酷い家がある
そこの家にあの女は隠れてるはずだよ
引きずり出してあたしの研究のありかを白状させるんだ !
いいかい !ちょっと痛めつけてもかまやしないからね。
Minori: 殺っちゃダメなのね?

そうだねえ・・・殺すのも楽しみがないからねえ
*ひっひっひ*

こいつさ、このルーンの先をちょっと西に向かうんだよ
しくじったらたたじゃおかないよ !

グリゼルダは大鍋の上にひとつのルーンストーンを置くと冒険者たちに向かうよう命じた。もたもたしてた私も一喝されて慌ててリコールを唱えたのであった。

頑張るだけなら猿でも出来る!猿並のオークであった。
辿り着いた先は砂岩つくりの廃墟。
植相から随分と南へ転送されたと判った。

ここにもシチューが・・・グリゼルダのシチューより更に毒々しいな。
廃屋のそばには比較的原形を留めた廃屋があった。

入口には強力なフィールドが張られて屋内に踏み込むことはできないが、人が生活していると思われる家具が幾点か確認できた。この廃屋が怪しいと調査を試みるもののフィールドが邪魔して周囲を索敵しかなく立ち尽くしていた冒険者らだったが、そこに依頼してきた張本人がやってきた。

ああ、見つかったんだろうね
Amraam: 待っているんじゃ?

あん、心配だからねえ !ついてきてやったよ !
見つけたのかい !
Amraam: ピュアフォレズとやらは見あたらないな

なんだってえ・・・やっぱりあたしが来て正解だったのさ
Amraam: だが、妙な箱があるぞ

あん ?どれだい
Amraam: あれだ、黒い箱

はーん、確かにねえ
Rena: そこのエナジーフィールドがじゃまだ

おい !出ておいで !ピュアフォレズ !
あたしにゃ分かってんだよ !そこらにいるんだろ !
隠れてないで出てきな !
グリゼルダの怒声に独りの魔女が姿を現した。


あら、あらあらあら、出たね性悪
騒がしいと思ったらグリゼルダじゃないの

わざわざ出向いてやったよ
ああそうさ、そのグリゼルダさ

懲りずにまたいらっしゃったの?

お黙り !

それともこの前こてんぱんにやられたのは忘れちゃったのかしら?
ふふっ 年はとりたくないものねぇ

なんだってこのクソ婆が!年寄りなのはあんたもだろ!
それともあの程度であたしに勝ったつもりかね!

罵倒続く二大婆の戦い、どうやらグリゼルダは一度ピュアフェルズに勝負を挑んでいたようだな。ひとりじゃ勝てなかったもんだから頭数をそろえてお礼参りに来たって寸法か!

その言葉遣いも相変わらず下品よね、ふふっ

あああんたもね !
その鼻持ちならない声は相変わらずさ !

私はあの研究を完成させたわ
おかげであなたは私に傷一つつけられず逃げ帰ったじゃないの
ねぇグリゼルダ?

お黙りお黙り !
それはあたしの研究書のおかげだろう!

数を集めたところで何も変わらないんじゃなくて?

とっととおよこし !
あんたたちもなんとか言ってやりな !このドロボウ猫にさ !

ふふっ、グリゼルダなんかについてもいい事ないわよ、ふふっ

そんなところでヘラヘラしていられるのも今が最後だよ !
絶対に取り返して、あんたを特製鍋の具にしてやるからね

出来るものならやってみるとよろしいんじゃなくて?

言ったね !
ETSG: まずいスープができそうだ

そうさ、その不味いスープをオーガに飲ませてやるよ !

あなたが具にならないようきをつけあそばせ
私にはこれがあるのだから
*懐から薬を取り出し、飲み干した*

漲ってくるわ

あんた・・・そりゃ・・・ !

あぁ、抑え切れない
見る間に髪に若々しさが蘇り・・・・

大衆の目の前で着替えまで始めた破廉恥魔女ピュアフェルズ!

さぁ目障りなあなたたちには消えてもらおうかしら

そういうとピュアフェルズは屋上に蝋燭を灯し始めた。

そして出現したのは金色の魔方陣!


そうだよ、この厚塗り !とっとと出てきな !
やる気だね、よおし
そこに出現していたのは禍々しい蜘蛛の姿だった。


さぁ、どうするのかしらねグリゼルダ、ふふっ
ここに召喚魔法対決が始まった。
グリゼルダも負けじと召喚生物で対抗する!

よし !やっておしまい !

・・・巨大な蜘蛛相手には随分貧弱そうだった。

いや・・・婆さんの出した召喚生物の方ができそこな・・っ
その出来損ないに立ち向かって見事に果てる私。

ジャングルを駆け回り、魔女としての実力も存分に発揮すしたピュアフェルズ。多数を相手とあってメテオやチェインライトニングを駆使して暴れまわった。だが、召喚した蜘蛛が力尽きると共にピュアフェルズ自身も傷つきグリゼルダに追い回されることとなる。

やったよ !あんたの出来そこないはもう使い物にならないね !
お待ち !


逃がすんじゃないよ !

*ゼィゼィ*

まだ勝負は終わってないよ *ぜえぜえ*
これからが本番さ !あんたたちよく見ておおき !
このっ

*あぁ!?*
見る間に髪の毛が変色していくピュアフェルズ。

どうやら魔法の効果が切れちまったようだ。

なんだってえ・・・ ?
*ひーっひっひっひっひ*
こいつはおかしい
*ひーっひっひ*
*ひーっひっひっひっひっひっひっ*
元に戻っちまったんだね !おかしいったらないよ !昔からそうだったさ !
あんたは一人じゃなーんにもできやしないんだ !

なにを!?

*ひーっひっひ*
*ゴホッゴホッ*
笑いすぎてむせてるグリゼルダ。こんなことしか笑う機会がないんだな。

・・・さてと、もう逃げられないよ
とっととあたしの研究をお返し

そ、そんなの知らないわ!

はん、どこにあるのかあたりはついてんだ !
そうだろ ?ええ ?

ち、違うわ!?

そうさ、あの黒いの
あれだろ性悪、ええ ?
*ひっひっ*

そ、そんな事ないわ!?
Amraam: じゃあ箱はもらってもいいんだな?

そうさね、あんたいいこと言う

入れない、そう、入れないでしょう!!

あれは頂いていくよ。
*ひっひっひ*
そうと決まったら、もうあんたにゃ用は無い

無駄よ!?
な、なにをするき!?
グリゼルダは弱り切ったピュアフェルズに対して追い討ちとも言える魔法をかけた。

なんとインプの姿にされてしまったピュアフェルズ!
泣き叫びながらジャングルの奥深くへと逃げ去ってしまった。

これでもう悪さは出来ないだろ !ざまぁないね
ああ、おかしい。こんなに笑ったのは久し振りだよ
・・・・もしかして
グリゼルダの御遣いで現れるインプもこいつに姿を変えられた奴?
うちらは復讐の邪魔をしちまってたのか。
ピュアフェルズを追い払ったグリゼルダは目的のものを回収すべく廃墟へ。グリゼルダは自分の家の事は棚にあげて愚痴を溢していた。

そうさね、整理整頓ってものを知らないのかね
こいつだね、ちょっと勝手に触るんじゃないよ !
こりゃあたしんだからね !開かないのかい
しようがないねえ *ふんふん*
駄目だねこりゃもって帰って開けるしか無さそうだねえ
これごともってっちまおう


よし、軽いもんさ
・・・年寄り扱いおしでないよ !
まあいいさ、今のあたしゃ特別気分がいいんだ
今のは聞かなかったことにしてやるよ。
帰るよ
Vas Rel Por - Gate Travel

*ふう*
やっぱりここが落ち着くねえ
この綺麗な家いつ帰ってきてもほっとするねえ
Minori: ここも十分、小汚いような・・・

相変わらずうるさいね !
お前達ぐずにはこの価値がわからないんだよ
*ふん*

ま、そのぐずでも今日ばかりはちょっとばかりは役に立ったさね
ああそうさ、犬の代わりくらいにはね。
*ひっひっひ*
しかし、ピュアフォレズを逃がしちまったのは失敗だったかねお
せっかく今日の鍋にしてやろうと思ったのに
あたしのせいにするんじゃないよ !
あんたたちがぐずぐすしてるからさ !
鍋にしてやろうと思ってたんだが
代わりのいい具材はないかね・・・?

まぁいい、あたしはこれから研究に忙しいんだ
あんた達、邪魔するようなら・・・わかってるね?
Agni: 報償!

なんかくれだって ?!
ずうずうしいにもほどがあるね !

特別に私の家に住んでるネズミを食わせてやるよ
それでおあいこだね。
*ひっひっひ*

ま、あんたらはなかなかいい働きをしたよ
また今度おいで。もう少しましな使いに出してやるからね
*ひっひっひ*

どきな ! あたしゃ忙しいんだ !
ついてくんじゃないよ !お使いは終わりだよ
ったく、あたしゃ出かけるからね
余計なものいじるんじゃないよ !
Kal Ort Por - Recall

