砂漠の隠者、老婆イヌの物語に関する情報です。
日本地域第二話「死者の眠る場所へ」レポート完了

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死者の眠る場所へ
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謎のルーン文字 #10(米国公式)
米国公式サイトに新たなルーン文字が刻まれました。老婆イヌ事件の真相に深く関わるとされる一連のルーン文字群ですが、日本地域では特段謎解きも行われず、従来型のシナリオ進行を見せております。今回の老婆イヌイベントは海外における役職イベントモデレータが培った土壌を活かしプレイヤー参加型の謎解きとして注目されています。ですが、言葉の壁が大きくて日本地域では難解に過ぎるものですし、日本公式サイトも後手後手を踏んでいる為、意味を成しているのか不明瞭な日々が続いていますね。
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今回のルーン文字は幾分短めの2単語で構成されていました。翻訳すると「He Insinuates」となり、日本語では「彼の者は仄めかす」といった意味合いとなります。
今回のレポートは「アトランティック」「飛鳥」「桜」で得た情報を元に編集致しました。なお、作成にあたりHannaさん、BSinMinocさんの協力を得ました、ありがとうございます。
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ニスタルの後継者にして今や宮廷魔術師の地位を引き継ぐに至っているクレイニンだが宮仕えしているとは思えぬ程身軽に行動を起こす。尤も宮廷の主たる国王ブリティッシュはその居城に姿ない現状で宮廷魔術師なる役職は最早かつての実権は持ち得ないのかもしれない。現在トランメル世界を取り仕切っているブリタニア評議会も過去の権威に縋るしかない脆弱な組織なのだから。

ブリテインやルナといった諸世界諸中枢都市に現れ、騒ぎの元凶となっていた老婆イヌがその姿を消し、平穏さを取り戻したかに見えていたが、ブリタニア評議会はこの事実を何故か深刻に受け止めていた。たかが老婆ひとりが行方不明になったことに国家の政を司る機関が対応を起こしたのだ。なんで婆さんひとりに評議会が出張ってきてるのかは皆目見当がつかない。たかだが婆さんひとりが変な男に連れ去られる同然で姿を消した、ただそれだけであるのにだ。
(桜)
そして、その実働部隊を率いることとなった人物こそがクレイニンであった。クレイニンは通例通りタウンクライアー協会を通じて国民へ協力要請を行った。トランメルを震撼させたオーク族の決起もデスパイズ勢力の侵攻も沈静化しフェルッカ世界や徳之諸島勢力との抗争も大きな動きがない最近の情勢だが、それでも相変わらず評議会という張子の虎に余剰部隊なんてものはないらしい。
(桜)

大体タウンクライヤー協会に伝わっている情報といったら「ブリタニア城まで来い」ってことだけと来ている。人ひとりを探すのに全国民を召集するなんて馬鹿げてるだろ。そんな非効率なことで国家の生産性を落としてどうするんだろうかね。まぁそうは言っても結局私も城まで足を向けるんだけどさ。
そうしてブリタニア城の謁見の間へ辿り着くと、あっという間に国民が集まってきた。興信所にでも頼めばいいような召集なのに意外や皆真剣だ。さてさて、呼び出した張本人はまだかと待っていると、いきなり王座の前に姿を現しやがった。絨毯の下にでも隠れて集まる国民を観察してたのかねぇ。もしかすると誰も来なかったらどうしよう、なんて怯えてビクビク覗いてたのかも知れん。誰も集まらずコソコソ絨毯を匍匐して戻るクレイニンの姿も見たかったものだ。
やあ!ひさしぶりだね!元気だったかい?急な呼びかけだったのにこれだけ集まってくれて助かるよ。
評議会の呼び出しが急じゃなかったことがあっただろうか、と思い馳せてみたが記憶にはなかった。多くの国民が宮廷の重鎮が現れた事で歓声をあげるが、でも所詮王座の前に立ってでしか権威を示せないってことなんだよなぁ。
実はね、今日集まってもらったのはイヌというお婆さんのことについてなんだが・・・覚えているかい?
クレイニンは国民を見渡して言った。国民の中には勿論、最近ブリテインを騒がしている婆さん、としか知らない者もいただろうが、彼女の名はかつて「砂漠の隠者」として知られていた。徳之諸島勢力との抗争の最中、貴重な現地の知識人としてクレイニンが協力を仰いだ経緯のある人物であり、多くの国民がその行脚でクレイニンに随行していたのだ。
あの砂漠は熱かったよ!火傷なんかひどかったし・・・
クレイニンも徳之諸島誠島の北に広がる大砂漠地帯を隠者の住いを求めて捜し歩いた際の事を思い起こしていたようだ。だが、国民の口から最近ではブリテイン第一銀行前で騒動を起こしていた事が触れられるとその通りだと頷いた。
そうそう、そうみたいなんだが、それが・・・どうやら連れ去られてしまったらしいんだよ。誘拐、というべきかな。しってるのかい?
集まった国民たちは銀行前で騒がしく叫んでいた老婆イヌの前にユリゴールと名乗る貴族然とした格好の男が現れ、言葉巧みに連れ去った事が伝えられた。どうやら評議会へはそこまでの詳細な情報は届いていなかったらしいが。では、何故不確定な情報だけで行動を起こそうとなったのだろうか。
ふむふむ、そこまで詳しくは判らないんだ。というのも彼女のペットらしきルーンビートルから話を聞いたものでね・・・いやこれが、実に興味深い生き物だよ!あのビートルは背中に浮き上がる文字と羽音で人と意思疎通を図ろうとするんだよ。ただ・・・毒か何かを飲まされたらしくてね、とても弱ってしまっているんだ。今は厩舎で休んでるよ。
老婆イヌのペット、イヌ自身はクライと呼んでいたクライカブトという名のルーンビートルだ。ユリゴールはクライと引き合わせることを約束して老婆イヌを連れ去ったのだが、クライだけが取り残されたとなるとやはりユリゴールの言葉は偽りであったと判断せざるを得ない。それにしてもルーンビートルにそのような意思疎通能があったとは初耳だ。背中の光沢は自在に変化させる事ができるんだな。
この町の地下道があるのは知っているかい?そこの入り口あたりで保護されたんだ。
ブリテイン地下道、或いは下水道とも呼ばれている広大な地下空間がブリテインの真下には広がっている。もっとも使用されていたのは遥か以前の事らしいし、発見されたのも最早伝説となりつつある過激派集団フォロアーズ・オブ・アーマゲドンの引き起こした惨劇でブリテインの石畳の一部が陥落したことに寄るものだ。アバタール島のヒスロスに繋がっているともバッカニアーズデンへの抜け道になっているとも噂されるこの地下空間だが、今のところはロストランドへの回廊のひとつである、としか判明していない。今はブリテイン衛生局の悩みの種程度でしかないわけだ。
それで色々話を聞いてみたところ、男とイヌ殿とクライは下水道の途中までいったんだが、あるところから男がなにか言ったら二人とも消えてしまったそうなんだ。もちろんクライは人間の言葉を話せるわけじゃないからね、後を追えなかったんだそうだ。それにその男にクライがつかまったときに餌だといって食べ物に毒を盛られたらしくてね、可哀想に・・・
当初、評議会も老婆イヌが市井で騒いでいる事件をただの妄言の類と見ていたようだ。だが、ユリゴールなる人物の登場が評議会の興味を惹くに至ったらしい。
でも、そうならなんでその男は連れて行ったりしたんだろうね?しかも下水道やクライに毒まで盛って。で、ともかく調べる必要があると評議会で判断されてね。面識もあるし、私が行くことになったんだよ。ただ、やはり道中何があるかわからないからね。そこでみんなに護衛とイヌ殿を探す手伝いをしてほしいんだ。頼めるかい?
国民は一様に協力を快く受けた。国民側からしても久しく評議会からの要請なんてなかったから腕がなっているといったところなのだろう。それにしてもタウンクライアー協会を動員していることから評議会の意向があることは判っていたが、やっぱりクレイニンが強引に危険性を訴えて決議させ、挙句自身が指揮を執るんだと言い張ったのだろうと思わざるを得ないな。だって今回の出動の根拠となっているルーンビートルの情報を管理するのはどう考えても宮廷魔術師の領分だろう?目に見えない危険性に行動を起こそうなんて真っ当な統治者は二の足を踏むだろうしな。
お、心強いね!そうこなくちゃね、さすが君達だよ。さ、じゃあ善は急げ。とりあえず二人が消えたところまで行って見ることにしよう。
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こうしてクレイニン一行はブリタニア城門から真っ直ぐに伸びる「徳の大通り」を進み地下道への入口へと向かった。暗い地下道に明かりを灯して北へ北へと進むと、かつては下水道の制御室であったと思われる一角へと辿り着く。クレイニンも悪臭に眉を歪ませつつ、クライに教わった道順を確かめつつ複雑な回廊を進んでいった。
(桜)

(桜)

目の前に標識がたってるだろ。あそこのところでその男が「chavory」っていったら消えたって言うんだ。
クレイニンが指差す先には確かに床に並ぶ金属製のレバーとは異質な木製の道標が立っていた。調べてみたものの、何も書かれていない奇妙な道標で、道標の指す先を見ても壁があるのみ。これは日本地域よりも大幅に先んじていると言われていた海外シャードでもつい先日発見されたばかりのものだ。海外における国民の報告でも同様の言葉がキーワードとなっていることが判る。
(アトランティック)

最近になってブリテイン下水道の北端に位置する道標の傍で「Charvory」と呟く事で別の道標へ向かえると明らかになった。下水に満ちた毒の回廊に辿り着く事ができるのだ!
(アトランティック)

無数の怪物が待ち構えているぞ!武器を持て!
(海外における報告より)
聞き慣れぬ言葉に戸惑う一行だったが、クレイニン自身はその言葉自体に興味はないようだ。キーワードには設定した人間の性格や知識レベルが如実に現れるものなのだが、クレイニンはそういった方面には疎いらしい。
ま、簡単なテレポーターのキーワードだと思うけどね。中は何があるかわからないから固まっていこう。ぴったり離れないできてくれ、「chavory」だよ。
兎も角、私も緊張してキーワードを口にした。何故なら海外シャードで痛い思いをしていたからだ。だが、肩透かしに終わってしまった。海外シャードではとてもひとりでは突破できない脅威が待ち構えていたものだが。
「Charvory」、その意味不明な単語を口にするや私の視界には細い回廊が広がっていた。回廊といっても舗装された石畳があるわけでもない下水路だ。地図を開くとそこは先ほどまで私が立っていた場所から遠くない西手の下水道であることがわかった。地図上には存在しないはずの下水道が既知の下水道の周囲を無数に走っていたのだ。
(アトランティック)

海外では奥へと進もうとした私は仰天したものだ。確かに報告された情報にもこの回廊の下水は毒素を含んでいる旨が記載されていたのだが、一般的に微々たる毒でも私には充分致死毒だった。海外では回廊の半ばでぐったりと横たわることになったのだ。一見直線に見える回廊だがが、濁った水のせいで底が見えない為なのか至るところで歩を進めることができずジグザグに進まねばならない事もあっただろう。
(アトランティック)

(飛鳥)

だが、今回は単なるジグザグな水路というだけで難なく突破する事ができた。下層へと降りる梯子を下るとそこには再び細い回廊が続いていた。そこは従来の下水道から南手に位置するのだと判ったが、どれ程地下深くに進んだのか困惑させられてしまう。ここで初めて下水に毒が混入されていた。
(飛鳥)

ちなみに海外では更に悲惨な状況になっていた。視界を埋め尽くしていたのは下水道の濁った水と同じ色をした蠢く存在たち。毒と酸に満ちた精霊が梯子を取り囲んでいたのだ。王都の地下がこれほどまで汚染されている状況は非常に由々しき事なのだが、市民の水源は本当に影響を受けていないのだろうか。
(アトランティック)

その次の梯子を昇ると東手へと出た。ここにはやっと石畳があったのだが、この回廊を設計した人物は下水道を攻め入る敵の侵攻を遅らせる為のものと勘違いでもしていたのではないか。複雑に入り組んだ石畳を踏み外せば、階段まで引き返さなくてはならないのだ。クレイニンに随行した一行の中にも踏み外す者が相次いでいた。
(飛鳥)

おっとっと、これは危ないね。む、あっちに下に下りるはしごが見えるね、だいじょうぶかい?手を貸すよ。
*ぐい*
こっちのようだね。なにしろここは空気が薄いね、大声が出ないよ。
海外では、そこに待ち構えていたのは無数のオーク族!以前ブリタニア全土のオーク族が一斉蜂起し諸都市が次々と陥落するに至った事件がある。その際ブリテインもまた東西の街道や北の峰からオーク族が雪崩れ込み、王都死守の大攻防戦が行われた。その結果、王都ブリテインは陥落を免れたと思っていたのだが、地下には容易く侵攻を許してしまっていたようだ。王都の脆さ浮き彫りといったところ。
(アトランティック)

複雑な石畳を抜けた一行が梯子を下るとそこは最早下水道ではなかった。自然の鍾乳洞の中、唯一地面に刻まれたひとつのルーン文字だけが煌々と輝くのみだったのだ。クレイニン自身もブリテイン地下道の更に下に洞窟があるとは知らなかったようで、感嘆の声をあげる。
(飛鳥)

海外では周囲にマラス大陸固有種の化け物が徘徊していたのだが、なにゆえにこの地に流れ込んだのかは謎。
(アトランティック)

あれもテレポーターみたいだ。先に行こう。
(飛鳥)

(飛鳥)

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ルーン文字の刻まれたテレポータに足をかけると今度は難なく身体が転送された。そして、転送された我々の眼前に広がったのは大地に降り積もる雪だったのだ。今まで汚水まみれの深い地下を進んでいただけに広がった別世界に一瞬戸惑わざるを得ない。
(飛鳥)

外だ!ここはいったいどこだろう。
きょろきょろと辺りを見回すクレイニンにひとりの男が呆れ顔で話しかけた。
(桜)

(飛鳥)

(飛鳥)

こいつらの話じゃロストランドってとこらしいぜ
我々より先にこの積雪の閉鎖地帯へ足を踏み入れていた人物、その男は自らをジェレミーと名乗った。既にクレイニンに先立ってテレポータを突破してきていた一団と情報交換を済ませていたが、この男がクレイニン一行よりも早くにこの極寒の地に辿り着いたのには重要な訳があるようだ。
(飛鳥)

へ?ロストランドなのかい?
こいつらがそう言ってたぜ。
って、君は・・・誰かな。
そういうお前こそ誰だよ。
ジェレミーはクレイニンを怪訝そうに、クレイニンはジェレミーを不思議そうに見やっていた。クレイニンにとってもジェレミーにとっても周りを囲む者の多くは見知らぬ顔ぶれだというのにわざわざ確認を取っているのも滑稽だ。まぁクレイニンに関しては王座に集まった際に調査に協力してくれる者達の顔ぶれは全員記憶していたのかもしれないが。無駄にそういう才能だけはありそうなヒゲ魔術師だ。ここは先に訊ねたクレイニンが自らの素性を明かすことにしたようだ。もっとも明らかに柄の悪そうなジェレミーとしては自分から素性を明かすのは望むことではないだろう。クレイニンはと言えば、宮廷魔術師の価値というものをあんまり理解していない節がある。
やや、これは失礼。私は宮廷魔導師のクレイニンと申すものです。
きゅ、宮廷の……お、お偉いさんか。そいつぁ失礼。
そんなほどでは・・・
クレイニン個人はどうか知らんが宮廷魔術師という役職は「それほど」のもんなんだよ。クレイニンの自覚のなさが判る応対って奴だ。
実は私達は人探しをしておりましてな。ちょっとその・・・迷い込んでしまったわけです。
先発隊がある程度の情報をジェレミーに提供していたから、そこら辺の事情って奴も理解して貰えたようだ。
それであなたは・・・
ああ、このあたりにお住まいですかな?
だが、理解力が別方向にすっとびがちなクレイニンはとんでもない事をいいやがった。ブリタニアにおける魔術師、現実社会じゃ科学者や研究者といった職種になるわけだが、誰もが一般的理解力がないとの偏見を助長しかねないお馬鹿さだ。どんなに有能でもこんなのが政治の頂にいるってこと自体が問題と言えよう。確かに政治には権威が必要で、そのひとつにカリスマによる権威というものがあるんだが、タレント的なカリスマは間違っているぞ。
クレイニンの質問にただでさえ寒々しいロストランド北極圏で互いの沈黙が続く。先に口を開いたのは問われた側であるジェレミーだった。
いや、オレぁ寒がりでな
ここにお住まいでないとすると別荘か何か・・・
いや、ちがうって
いやいや、隠れ家とはしらず失礼いたしましたな
隠れ家じゃねえよ!
そ、そうですか。それではここで何を?
つーか住めると思うか? *はぁ*
いやいや、ブリタニアにはさまざまな生物が生息しておりますぞ!その幅は多岐にわたりまして実に妙!
……あんた、オレのこと新種の動物とか思ってねぇか?こんなのがほんとにお偉いさんなのか…?
ほんの僅かな会話を交わしただけで、あっさり認識を改め「こんなの」呼ばわりし始めたジェレミー。慌ててクレイニンも体裁をとる。
エルフのようではありませんしな・・・人間とお見受けしますが・・・。
まー人間だけどな。ちょっと迷ってこんなとこに来ちまっただけよ。
おや、あなたもですか。
おうよ。
これでやっと意思疎通が可能となったようだ。クレイニンは一度話題がそれるとどんどん別の道につっぱしってしまうからな。ジェレミーは自分がこの雪原地帯へ足を踏み入れることとなった経緯を語り始めた。
ロストランドへ行こうと地下道をウロウロしていたら、ヘンな婆さんとスカした男とルーンビートルの姿を見かけてね。気になったんで、ま、商売がらあとをつけることにしたのさ。そしたら、こんなところに出ちまってよ。
その言葉にクレイニンを含め、一同は敏感に反応した。
な、なんといまおっしゃいましたかな!?実はわれわれ、ひとを探しておりましてな。まさにその人たちではないかと思うのですが・・・。
興奮度を一気に爆発させたクレイニンが矢継早に質問しまくる。
いつ!
どこで!
だれが!
だれを!
どんなふうでしたかな?!
さっき
ここで
オレが。
ひとつひとつに回答しようとするジェレミーは意外と真面目な奴なのかもしれないと思った。気圧されてるだけかもしれんが。
そそそそそ、それで二人はどこに!!!
……興奮すんのはいいけどよ。あんた、なんっつーか…アッタマ、堅そうだな。

ジェレミーの冷静な突っ込みに今度は恐縮しまくるクレイニン。
まあ、それはわが師ニスタルにもたまに言われては居りましたが。
いいお師匠さんだな
恐縮してしまったクレイニンにジェレミーはニヤニヤと笑った。何か企んでいるようだ。
その二人はどこにいったか存知ですか!
まぁまぁ慌てなさんな。オレもこんな身の上だからよ。あーーーどうも記憶が・・・懐が寒いせいかもしれんなあ・・・。
二人の行方を知ろうと焦るクレイニンに対しジェレミーはすっとぼけ始めたのだった。だが、そこはクレイニン。さっぱり相手の意図が判らずただ困惑するだけ。痺れを切らしたジェレミーは単刀直入に金銭の要求をするしかなかった。
ちったぁ聞けや。こういう情報にはよ、対価ってのが付きものじゃないか?
・・・
決まってんだろ、コレだよコレ。
やっと理解したクレイニンは手持ちの金をジェレミーに渡すことにした。
仕方ありませんな・・・
*ちゃりーん*
(桜)

明らかに小銭の音だった。宮廷魔術師自身が動く程の事件、にも関わらず調査資金は配分されていないのか。或いは調査資金と称して多額の資金配分を受けたが全部自分の研究費に流用しようとでも考えていたのか。クレイニン横領疑惑である。
宮廷勤めでもそんなもんなのか…
いやはやてっきりその研究にですな・・・
やはり研究費への流用なのか。
何をご覧になったのですかな、早く頼みますぞ!
ああ、思い出してきたぞ。で、こっそり見ていたら地下道のところでそいつらがどういうわけか、ビートルだけ残して最後は結局スカした野郎が魔法でゲートを開いてなそこに入っちまった。
え、ここでですかな?
そう、そこだよ。なんか跡みたいなのかあるだろ。
確かにありますな・・・いやしかしなぜそんな・・・普通は残らないはずなのにおかしいですな。実にこれは興味深い!
オレも、覗くだけ覗いたんだがよ、ただ白っぽい壁とグレーの床、あと緑っぽい大理石の床が見えたな。
なんと・・・他には何か?
なんか廊下が十字路みたいになってたかな。ああ、あれだ、あの壁。どっかで見たことあるなと思ったんだがよ、トリンシックの街の壁、判るか?あんな感じだったな。
ええ、トリンシック様式ですな。と、いうとまったくそれではないと?あぁ色が違うとおっしゃっておられましたな。
他には何か?一大事かも知らんのです。
ああ、そうだ、あの婆さん。なんか物騒なこと言ってたな。「死者のところに連れていく気か」とかなんとかかんとか。
なんですかそれは!
しらねえよ、オレに聞くなよ。んでまぁそいつらが何するのか確かめようとしたんだがな、その時にゲートが閉じちまってね。それで、オレはこの通りここに取り残されたと、そんなわけさ。
それはそれは災難でしたな・・・なにかこう他にありませんかな。
あああ・・・なんか大切なことが・・・そうそう、聞こえたような・・・
本当ですかな!なんと!なんと聞こえたのですか?
もうちょっとで思い出せそうなんだが・・・
ここでまたもやわざとらしく振舞い始めるジェレミー。誰もがまたもや小銭を要求しているのだと判った。
焚き火ではダメですかな・・・
小銭すらしぶってるよ、クレイニン!
ダメ
そ、その・・・
ほれほれ
*とほほ* 仕方ありませんな・・・
*ちゃりーん*
いやあ、催促しちゃったみたいで悪いね
*すっからかーん*
どういう擬音だ、クレイニン。
おっ、思い出してきたぞ。
(桜)

むずっ!長っ!というかどう発音してるのか判らんようなキーワードだ。人間に出せる音とはとても思えない。兎も角盗賊ジェレミーから得られる情報は充分に得られたようだ。後はその場所がどこなのかを突き止めるだけである。もっともこれが未知のファセットだったりしたらお手あげなんだが。
ではこれで・・・ご協力を感謝しますぞ!
あ、まってくれ。ここからどうやって帰ればいいのかわからなくて困ってるんだ。腹が減って死にそうだよ!あんた、魔法使いだろ?
そ、その、財布はもう空でして・・・
いやいや、カネじゃないって。よかったらゲートを開いてくれないか?
それくらいでしたら。ブリテインでよろしいですかな。
へへ、悪いな
こうしてジェレミーはクレイニンの創出したムーンゲートを潜り、ブリテインへと去っていった。クレイニンってば、一体どこに送ってやったのだろうかね、衛兵の詰所とかであったらジェレミーの不運を哀れんでやるのに。
ふぅ・・・まったく困ったものだね・・・
一同は「文無し」になった事を憂いているのか指摘する。
困ったものだね・・・
肯定でありますか、宮廷魔術師殿!
ととと、そういう話をしている場合ではなくてですな!ちょっとそこをあけてくれるかなゲートの魔力が残っているようなのでちょっとその調べたいのです。
これですな。
*どれどれ*
*ううむ*
これは、はて・・・トランメルのゲートとは違う力が働いていたようですな。もうほとんど魔力は残っていないから 移動はできないだろうね。
*むむむ・・・*
だめですな。向こう側からなら何とか開けるかもしれないけれどこっちから開くのは相当力がないと、魔力だね。みんな心当たりないかい?
さて、ジェレミーを送り出した一行は、老婆イヌが連れ去られた場所はどこなのかを思案する事にした。「白い壁」や「グレーの床」「緑の大理石」そして「死者」との手掛かりを元に一同は必死に意見を出し合う。「ガーゴイルシティ」や「デシート」更には「ファンダンサー道場」といった案も挙がったが、どれも決め手に欠けていた。
そして、最終的にひとつの宮殿の存在が浮かび上がる。イルシェナー霊性地区の中央にある「Reg Volom」と呼ばれる宮殿、そこには翼人が住まう事から天使宮とも呼ばれている。確かにあの宮殿の地下は墓所となっていたはずだ。
可能性はありそうだね。ここで悩んでてもしょうがない。さっきの人がみたのが本当だったらイルシェナーに行ってみる価値はありそうだね。
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こうしてクレイニン隊はロストランドを離れ、イルシェナーの地へと向かうこととなった。霊性のムーンゲートで再集結を果たした一行は北上し天使宮への秘密のテレポータがある蜘蛛ダンジョンへと脚を踏み入れる。
(飛鳥)

「Reg Volom」の南端へ転送されたクレイニンはその宮殿を仰ぎ見て納得したようだ。
確かに・・・この壁はトリンシック様式に似ているね。

古代ソーサリアの秘密が未だ数多く眠っていると言われるイルシェナーはブリタニアからも幾度と調査団が派遣されたはずなのだが、そういった調査を統括してるはずの宮廷魔術師がなんで知らなかったのか、という問題はあるが。
宮殿内をくまなく調査するが、なんら手掛かりになるようなものは見つからず、調査はいよいよ「死者の地」である宮殿地下へと進む。そこは確かに盗賊ジェレミーの見たという情報と一致するものだった。
尤も一同の中には緑色の床なんて見えなかったものもいるようだが。ブリタニアの住民にも色盲とは言わないまでも色の違いを見分ける事が困難な人々がいるのだ。
(飛鳥)

その床は「天使」と「剣」を象ったものだった。地下にありながら地上絵のようだ、もしかするとかつてここは地上にあったのかもしれない。地盤沈下で地中に沈み、その上に宮殿が建造されたのだろうか。
私のお財布を空にするだけはあって本当のことを言ってくれたみたいだね。
財布が空になることと真偽は無関係なのだが、隊を束ねるクレイニンは至って暢気な発言を繰り返す。それでも調査は真剣そのもののようだ。
よし、みんな、イヌ殿がいないか手分けしてさがそう!
だが、ここでも手掛かりになるようなものは発見できそうにない。
ほら、白髪とか帯とか?
白髪なら兎も角、帯は無理だろ。ユリゴールは老婆相手に衣服を脱がして何をやらかそうというのだ。ところがクレイニンの必死さが伝わったのか、いや伝わってはないだろうが、その直後に怪しい場所を発見したとの報告が本隊に伝えられたのだ。地下に降りて二つ目の十字路近く、緑色の大理石にその手掛かりがあるのだという。
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ジェレミーが耳にしたという言葉こそが、床に巧妙に隠されたテレポータを発動させるキーワードとなっていた。我々は突然暗闇の中にある小部屋へと転送されたのだ。
(飛鳥)


だが、そこにあったのは鉄の扉がひとつあるだけだった。ブリタニアで一般的な開錠呪文では全く対処出来ないことから急遽部隊の中から精鋭の鍵師が選出され、開錠にあたる。

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だが、それでも開錠には至らなかった。300近いロックピックが投入されるにも関わらず、だ。ここに至るまで数々の転送装置を用意していたユリゴールのこと、この扉も特殊な魔法がかけられているのだろう。クレイニンは扉を前にして苦渋の選択を余儀なくされた。一旦ブリタニア城へ撤収し評議会へ報告するというのだ。
(飛鳥)

おそらく、今回の調査結果を元に底をついた研究費を要求する為だったに違いない。

ブリテインの銀行前で意味不明な発言を繰り返していた“予言者”イヌ婆さんが、消息不明になりました。ユリゴールと名乗る人物(人間・男性)が「我が家にて詳しくお話を聞かせてほしい」と懇願した後、自ら作り出したゲートを使用してイヌ婆さんと共に姿を消したということです。
目撃者の話によると、このユリゴールなる人物は不自然なほど大げさにイヌ婆さんを誉め讃え、彼女の歓心を買おうとしていたとのこと。

「ああ。聞いてるこっちが恥ずかしくなるほど、あのおかしな婆さんのことを持ち上げてたよ。調子がいいというかなんというか……そのくせ妙に気取った、鼻持ちならない野郎だったね。たまたま眺めていたオレたちのことを、“何もわかっていない連中だ”なあんてバカにしやがるしよ。いったい何様って感じだよな!」(市民Nさん談)
「ええ、見ましたわ。グレーのヒゲと赤いマントがお洒落な、ちょっと貴族風の方でしたわね。どこに住んでいるか知ってるか、ですって? いえ、私は存じません。だって、あのとき初めて見た方ですもの」(市民Cさん談)
このユリゴールなる人物が、目撃情報のとおり本当にイヌ婆さんを崇拝していたのか、それとも何か目的があって連れ去ったのか、現時点ではわかっておりません。
イヌ婆さんの消息はいまも途絶えたままで、その安否が気遣われています。しかし、その一方で毎日のように彼女の“予言”につき合わされてきたブリテイン市民の中には、「これでやっと銀行前が静かになった」「安心して商売ができる」という安堵の声があることも、また事実です。
以上、ニュースをお伝えしました。

