覚醒 - 第四章(The Awakening - Act IV)とは,2012年5月1日に開始された物語。第二章で崩壊したイルシェナー世界ヴァーローレグ(Ver Lor Reg)を引き続き舞台として新たなクエストが開始された。
ヴァーローレグ入口の砂漠地帯に立つ男からふるいを購入することで,砂漠から破片を発見できるようになる。この破片をつなぎ合わせることで,ジュカまたはミーアの財宝を組み上げることができる。
2012年5月18日から20日にかけて,日本地域の各破片世界上においてライブイベントが開催された。
提供者(Provisioner)
イルシェナー世界ヴァーローレグのエントランスに立つ石柱の脇に提供者が現れた。ツルハシを手にした採掘師然とした外見だが,今回のクエストで必要となる道具A Sifting Tray を提供してくれる。

Provisioner
やぁ、 冒険者さん! こいつをお探しかい?1000ゴールドで,この便利なふるいをお売りしますよ!このふるいを使えば,この砂漠の流砂からお宝が見つかること間違いなし!だけどご用心! この砂漠は危険だから注意して作業しないといけないよ!なかでも貴重なお宝は,古代遺産っていうのかな、 遺伝財産の破片だ。 こいつは例のジュカとミーアに最近起きた大惨事の結果ここいらに埋ったんだ。 探すのはこの辺りだけにしろよ。 破片はこの付近に集中してるからな。 それじゃ、 頑張ってな!
クエストガンプは利用せず,1,000gp を提供者へドロップすることでバックパック内にA Sifting Tray が追加される。

ただし,1,000gp ちょうどをドロップする必要があり,1gpでも異なると受け取ってもらえない。所持個数に制限はなく,制限時間も設けられていないため,1,000gp ごとにドロップすれば同時に複数個所持することができる。
ふるい(Shifting)
提供者から購入した ふるい(A Sifting Tray) を用いて砂漠でふるいにかけ,砂から壊れそうな破片(Antiquity Fragment)を探し出さねばならない。
しばらくふるい分けて,古代の破片を発見した!

ヴァーローレグ周辺の砂漠地帯でのみふるいにかけることができる。エントランスから離れた場所では砂漠地帯であってもふるいにかけることはできず,エントランス近郊であっても砂漠でない場所ではふるいにかけることはできない。
ここの地面はふるいにかけられそうにない。
また,騎乗状態,隠蔽状態,飛行状態,変身状態でふるいにかけることはできない。
騎乗中や飛行中は使えません。
砂漠でふるいを使用しても,大抵の場合は何も出てくることはない。
どこの土をふるいにかけますか?
*シャカ シャカ シャカ*
しばらくふるい分けたが、何も発見できなかった。
しかし,高い頻度で地中の巣にいる生物を目覚めさせてしまう。目覚めた生物は地上へ現れ,冒険者を襲う恐れがある。イルシェナー世界であることから,目覚めた生物はパラゴンとなる場合もある。
どこの土をふるいにかけますか?
*シャカ シャカ シャカ*
しばらくふるい分けていたが、地下の巣で眠る生物を起こしてしまった!
なお,自分自身にふるいを利用しても何も起きはしない。
どこの土をふるいにかけますか?
あなたは、それが何の役に立つのかさっぱり理解できなかった。
ジュカとミーアの財宝(Heirloom)
古代の破片(Antiquity Fragment)は,つなぎあわせることができる。


10個をつなぎあわせると,ジュカ族あるいはミーア族の財産いずれかとなる。第二章においてロアマスターのもとへ届けた財宝と異なり,制限時間は設けられていない。

Ruined Meer Tomes

Meer Urn
2012年03月27日
覚醒 - 第四章の導入(パブリッシュ75)
2012年05月01日
BNN:覚醒 - 第四章
2012年05月12日
BNN:覚醒 - 第四章 第二節
2012年05月14日
覚醒 − 第四章(ライブイベント)のお知らせ
2012年05月18日〜20日
覚醒 − 第四章(ライブイベント)
活性化したエクソダス勢力の進出によって危機に瀕するイルシェナー世界ヴァーローレグ。それを好機とヴァーローレグ勢力の取り込みを謀るテルマ−世界の女王ザーは,搦め手としてヴァーローレグと信頼関係を構築しつつあるブリタニア世界のロイヤルガードケルヴィンを利用しようと目論んでいた。
そんななかブリタニアの当人,ロイヤルガードのケルヴィンから市民に対して招集が発せられていた。場所はトランメル世界ブリテイン南西端に所在する戦士ギルド2階。私はニュジェルムにあるイベントモデレーターホールを経由して赴くことにした。
階段を上ると,既に数多くの冒険者たちが二階に集まっていた。部屋の中央にあるテーブルも椅子が足りずに冒険者たち自身の手で追加の丸椅子が並べられていたが,それでもなお足りずに部屋の壁際を参集した冒険者で埋めていた。

指定されていた刻限を過ぎ,戦士ギルド北西端の階段からゆっくりと今回の集合場所へと現れるケルヴィンの姿があった。

冒険者たちへ声がけするとケルヴィンはゆっくりと中央のテーブルへ歩み進んだ。
Kelvin the Royal guard
イスが増えておる。
さしいれ。
Kelvin the Royal guard
ありがたい!
冒険者に感謝の意を表したものの,肝心の空席は南東の隅に一席のみ。ケルヴィンはその空席へと身を沈めたが,招集した当人が部屋隅の目立たぬ末席にこっそりと座っていることに居心地の悪さを感じているようだった。
Kelvin the Royal guard
ここしか,あいておらん……。北側の席, かわってくれるか?
一度は末席に座ったものの,やはり席替えをしたいケルヴィン。当然の主張ではある。北側の上座に座っていた冒険者が席を立ち,ようやく上座の席へと座ることができた。冒険者を見渡せる位置に座ったことで,いよいよ語り始めた。
Kelvin the Royal guard
みなも空いている席に腰掛けてくれ……。先日に引き続き急な呼びかけにもかかわらず,大勢の諸君が駆けつけてくれたことに感謝する。早速だが,時間も押しているので本題に入らせてもらおう。このところのイルシェナーのヴァーローレグでの異変は諸君も知ってのとおりである。機械生命体が街中に流入し,住民たちは孤立無援の状態の状態で防衛を強いられている。さて諸君。そんな中この度私はザー女王に謁見を許された。用件はよくわからないが,ザー女王はヴァーローレグで現在発生している緊急事態の把握につとめるとともに,樽の盗難事件やネクサスなる装置の周辺で起こる異常がここブリタニアにも波及していることについても既にご存知と見えて,真相の解明に並々ならぬ関心を寄せておられるものと推察する。ネクサスなる装置はいったいどのようなものなのだろうか?どのようにして入手するものなのだろうか?
夜のお供ですね,わかります。
Kelvin the Royal guard
よ…夜?
パズル50回ほど…
Kelvin the Royal guard
パズル……
カードを集めてカードリーダーに読ませます。カードを50枚集めるとネクサス証書がもらえます。
Kelvin the Royal guard
ブリタニア民でもネクサスが入手できるようだな。
ネクサスは設置してもまったく動きませんでした。
Kelvin the Royal guard:
動かない?
設置できるけど効果は不明。
Kelvin the Royal guard
ネクサスを設置した者がオーバーシーアに襲われたとのうわさをきいたことがある。
ヴァーローレグには変なの沸いてきてるけど,ネクサス関係してるのかな。
Kelvin the Royal guard
ふむ……。ヴァーローレグにおけるオーバーシアの大量発生に我々が関わっているのかもしれぬな。我々が不用意にネクサスなる装置のリペアを繰り返したことが,この異常事態の発生につながっているとすれば,ザー女王ばかりでなく我々にとっても真相の究明が急務であることは間違いない。そして我々とヴァーローレグの関係はそればかりではないだろう。このところイルシェナーの砂漠ではアンティークが発掘できるとあって,これもまたブリタニアからヴァーローレグへ多くの人々を引き寄せている。このような多くの人々の往来は,少なからずヴァーローレグの住民を不安にさせているものと思われる。このような状況の中,ザー女王の我々への思いをはかりかねる部分もあるが,諸君はどうお考えだろうか?
ケルヴィンから向けられた突然の質問に戸惑う冒険者たち。それは表向き友好的な姿勢でブリタニアの関係を続けているテルマ−世界の女王ザーがブリタニアを排斥すべき存在とみなす可能性があるかを問うに等しかった。
Kelvin the Royal guard
うぅむ……まずは会ってみないことにはわからないことは確かだ。
ネクサスに関してはまだ憶測みたいな感じだし,謎がおおすぎる。
何らかの分析や検証?
分解すればいい
ほんとにあれな機械なら撤去!
Kelvin the Royal guard
どういうものなのか,そうだな……うぅむ,謎がまだ多すぎるな。それでは,そろそろ約束の時間だ。テルマーの宮殿へ向かいたいと思う。皆も一緒に来てくれるか?来れぬ者は,このギルドで待っておるとよいぞ。王宮ではくれぐれも女王陛下に失礼のないように。ペットに騎乗している者や連れている者は,後ろに下がるか,降りて一時的に退避させておくように。
ケルヴィンは部屋の南にムーンゲートを創出させ,冒険者たちはあとに続いていった。目指すはテルマ−世界女王ザーとの謁見場所。
それはもちろん,テルマ−世界ロイヤルシティにある宮殿にほかならない。

Kelvin the Royal guard
みな玉座から下がってもらえないか?
謁見の間南端へ現れたケルヴィン一行。謁見の場となる玉座前へと冒険者たちは居並んでいった。そして,東手から黄金色の装束を身にまとったガーゴイルが玉座へと歩み進んできた。
テルマ−世界の女王,ザーだ。

玉座の前に立った女王ザーの前に謁見を許された当人,ロイヤルガードのケルヴィンが前へと歩み出る。
テルマ−世界を統べる王の前に立てば不釣り合いな肩書きに過ぎないロイヤルガード。一方的に利用されようとしていることは明らかだ。しかし,拒否することは国情不安定なブリタニアにとって外交面での問題を増やすことになりかねない時期。
こうして,女王ザーに如何なる思惑があるにせよ,受けざるを得ぬ状況で謁見が始まった。
Zhah the Gargoyle Queen
そなたがケルヴィンなのですね。本日はわざわざご苦労でした。近くへ寄るように。
Kelvin the Royal guard
ありがたき幸せに存じます。
Zhah the Gargoyle Queen
ほほ……。そんなに固くなることはありません。失礼ながらそなたのことは調べさせてもらいました。そなたがブリテインの街で市民を指揮し暴徒を鎮圧したことについてもです。ブリテインも不穏な空気に覆われているようですね。しかし混乱のさなかにあってもあなた方は善処されているように見えます。その力の源とは一体何なのでしょう?
Kelvin the Royal guard
陛下。それは8徳にございます。
Zhah the Gargoyle Queen
8徳……。それは我々もよすがとしているものです。あなた方の8徳とは異なりますが,我々ガーゴイルこそ秩序と統一性を重んじる種族なのですよ。
*ため息をつく*
ところでケルヴィン。そなたがヴァーローレグの我が同胞と話をしたと聞いています。何やらヴァーローレグで作られた爆薬の樽がブリテインの街中で発見されたそうですね。
Kelvin the Royal guard
恐れながら陛下。ヴァーローレグで樽の盗難があったことは事実です。そしてブリテインで発見された樽にはヴァーローレグの刻印がありました。しかし両者が絶対に同じものかどうか断定するのは危険です。そして誰が何の目的で持ち出したのかも依然不明のままです。何者かがヴァーローレグに汚名を着せようとしていた可能性もあるのです。
Zhah the Gargoyle Queen
………。ほほ……。よろしいでしょう,ケルヴィン。あなたが彼らに同情する気持ちもよくわかりますよ。何しろ今ヴァーローレグは機械生命体の脅威にさらされ,アンティーク目当ての外部からの旅行者に資源を掘りつくされ,心中穏やかではないでしょうから。一方我がテルマーはご存知のように,ボイドの脅威に常にさらされ,長い間ぎりぎりの攻防を強いられており,街の外には難民があふれています。そう……。我がテルマーは国力の増強が急務なのです。我々テルマーのガーゴイルはヴァーローレグの同胞とは別々の歴史を歩んで来ました。しかし互いにかってない受難の時を迎えている今,手を取り合ってより良い未来を共に歩む道を選ぶのは当然と言えましょう。我がテルマーには彼らのための避難所を設け,受け入れる準備があります。そこでそなたに折り入って頼みがあるのです。同じ種族でありながら、知に長け,いささか計算高いヴァーローレグの同胞を,そなたならばうまく説得することが出来るのではないかと思います。私はこれからヴァーローレグに向かい,ヴァーローレグの長,アンレルタール(An-Rel-Tar)と話をする予定です。そなたもいっしょに……
いよいよ女王ザーが今回の謁見を許可した裏に隠していた要請を口にしようとしたそのとき,謁見の間南手から慌ただしく飛び込んでくるガーゴイルの姿があった。
Percolem the Messenger
陛下!陛下!陛下……! 申し上げます!

謁見の間では礼に反すると思われる翼の使用を気にすることなく,冒険者たちの群を抜けて女王ザーのいる玉座へと降り立つガーゴイル。それは前線に配置されていると思われる伝令であった。
Zhah the Gargoyle Queen
何事です。静かになさい。
Percolem the Messenger
ヴァーローレグにおびただしい数の機械生命体が流入のため……多くの同胞が命を落としております。
Zhah the Gargoyle Queen
何を今さら……。機械生命体の流入など今に始まったことではありませんよ。
Percolem the Messenger
いえ……! いいえ陛下!これは流入にはございません。侵略でございます……!とりわけエクソダスダンジョンに通じる機械生命体の侵入口のある北西側の被害は甚大にて,すぐに,すぐに援軍をよこしてくださいますよう!
Zhah the Gargoyle Queen
アンレルタールは……。アンレルタールは無事なのか?!
Percolem the Messenger
……申し訳ございません!陛下……。街の中は混乱を極め、各々の者の生存確認は不可能にございます……。
徐々に勢力をエクソダスダンジョンの外へと広げつつあった機械生命体であったが,ついに侵攻するに足る勢力を復活させたということなのだろうか。伝令の慌てようから推察するに,相当規模の機械生命体がヴァーローレグ内に侵入を終えているようだった。
これにいち早くケルヴィンが先遣の意志を示す。今回の謁見のために随伴していた冒険者たちだけでも十分にヴァーローレグ防衛の第一陣を務めるだけの戦力はあると判断したのだろう。
Kelvin the Royal guard
ザー女王陛下! ヴァーローレグへは我々が向かいます。
Zhah the Gargoyle Queen
よろしいでしょう。お行きなさい。私は援軍を手配して後ほど参りましょう。
Kelvin the Royal guard
*敬礼*
諸君! 聞いての通りだ。これからヴァーローレグへむかう!移動したら街の北西側にある機械生命体の侵入口へ向かって進むが,あせらず慎重に進んでくれ。戦士ギルドに待ってる者にあって,ヴァーローレグへむかう。
いまやイルシェナー世界へブリタニア独自に介入を決断することなく,テルマ−世界の女王に命令を仰がなくてはならぬことに国力の衰退を実感したが,そんなやりとりは関係なく戦闘の準備は進められた。
Kelvin the Royal guard
準備のできた者から私に続いてくれ!これからヴァーローレグへ向かうぞ!
戦士ギルド2階には新たなムーンゲートが創出され,準備を終えた冒険者から順次飛び込んでいく。向かった先はヴァーローレグのエントランス,従前は数体のエクソダスオーバシーアが流入していた区画だった。

だが,そのエントランスですら,中央区画へと向かう回廊を埋め尽くす機械生命体との戦闘がすぐさま開始され,魔法と剣劇の激しい音が響いていた。
すでにヴァーローレグは敵勢力の侵入を完全に許してしまった様子。ケルヴィン率いる冒険者一行は,エントランスを突破して機械生命体の侵攻を許していると推察される北西端へ突破を試み戦力を集中する。
Kelvin the Royal guard
アンレルタールを探して保護してくれ!
エクソダスミニオンが異常な個体数のパラゴン化を果たして襲いかかり,更にはかつてのエクソダスダンジョン攻略戦で絶滅と伝えられていたミニオンロード種も多数がこのヴァーローレグ侵攻戦で確認されていた。
そしてヴァーローレグ西側へと辿り着いたところで,生存者確認の報が届く。
Kelvin the Royal guard
エクソダス入口横の噴水にいらっしゃったぞ。
それはヴァーローレグにおける最重要人物,アンレルタールだった。非常時にもかかわらず護衛の姿すらないのは,すでに討ち取られてしまったのだろうか。
そこへ女王ザーも合流を果たす。
未だ街中に戦死者の遺骸が横たわる戦火の中,テルマ−とヴァーローレグの直接会談が実現した。
An-Rel-Tar
これはこれはザー女王陛下。直々にお越しいただけるとは身に余る光栄にございます……。
Zhah the Gargoyle Queen
そなたがアンレルタール。ご無事で何よりです。怪我はありませんか?よく戦ったそなたの手の者をねぎらうとともに,軍を率いて共に戦ったこのガードとその仲間の勇気ある行動を称えます。ありがとう。ケルヴィン,そして皆さん。
Kelvin the Royal guard
女王陛下。ありがたき幸せにございます。アンレルタール殿。お目にかかれて大変嬉しく思います。
*敬礼*
An-Rel-Tar
………。
Zhah the Gargoyle Queen
我が友アンレルタール。今日のところはヴァーローレグが機械生命体の手に落ちるのを,かろうじて食い止めることができました。しかしヴァーローレグの軍は疲弊しております。この勇気あるガードたちもヴァーローレグの有事にいつも駆けつけることができるとは限らないでしょう。いかに経済が活況を呈していようとも,機械生命体の流入が今後も続けば,それは一時的なものになるでしょう。今こそ決断のときです。我がテルマーにはヴァーローレグの同胞を受け入れる準備があります。
An-Rel-Tar
親愛なるザー女王。あなたの申し出に感謝いたします。しかし我々は目先の利益だけで,この街を出る事をためらっているわけではないのです。ご覧ください。我々の先祖が額に汗し,爪に血をにじませ,岩盤を削り出して築いたこの美しい白亜の街,ヴァーローレグを!我々の祖先はこの地で石細工とガラス工芸を産み出し,我々はその歴史と文化を連綿と引き継いで来たのです。この街は我々の誇りであり,我々自身です。
Kelvin the Royal guard
アンレルタール殿。ヴァーローレグの輝かしい歴史と文化は,その民が居るところに再び根付き,場所を変えても決してついえることはないでしょう。そして命ある限りこのヴァーローレグの地に,いつの日か帰って来れる日も巡って参りましょう。
Zhah the Gargoyle Queen
我が友アンレルタールよ。あなた方にテルマーにお越しいただき,共に輝かしい未来を歩む日が来ることを確信しています。困ったことがあればいつでも申し出てくださいますように。まずはヒーラーと物資をここへよこしましょう。手配のために私はひとまずテルマーへ戻ります。ごきげんよう!
An-Rel-Tar
私も評議会へ戻るとしよう。駆けつけた皆の者に感謝申し上げる。
Kelvin the Royal guard
私もこれから仲間に報告してくるとしよう。諸君の協力に感謝する!では、また近いうちに会おう!
こうして,ヴァーローレグ会談はエクソダス勢力急襲による最前線の中で略式に執り行われた。会談の内容そのものは,書簡でのやりとりと同様にテルマー勢力への参入をヴァーローレグ勢力が断るに過ぎなかったが,この会談にテルマ−勢力側にブリタニア勢力が随伴したことが今後どのような勢力変化をもたらすのだろうか。
2012年5月1日から開始された物語である覚醒第四章は,既に二度に渡って物語の内容がブリタニアニュースネットワークを通じて伝えられていたが,今週末に新たな展開を迎える旨の告知が行われた。
ライブイベント “The Awakening(覚醒)第四章”
「女王陛下、ヴァーローレグからの使者にございます。」
ザーは頷くと、銀製の盆に乗せられた巻物を受け取った。
長いかぎ爪を器用に使って蝋の封印を解いて巻物を開き、中味を一瞥するやザーは深いため息をついた。
「まったく聞く耳を持たぬ者どもよ。」
ヴァーローレグのアンレルタールからの知らせは、ザーへの敬意が慇懃に書き連ねられてはいるものの、評議会が満場一致でザーの申し出を取り下げたという実にそっけないものであった。そんなザーの様子を遠巻きに見ていた側近の一人がかすかな羽音をたてながら、うやうやしくザーの足元に進み出た。
「女王陛下。聞くところによりますとひと月ほど前、我々以外の種族の者でヴァーローレグの住人と直接話をした者が居たそうでございます。」
ザーは不愉快そうに眉をひそめ、明らかにいら立ちを含んだ声で答えた。
「ヴァーローレグの砂漠にヒューマンやエルフがアンティーク発掘のために大挙して押し寄せていることは聞いています。住民と話をしたとて何の不思議もないでしょう。」
やり込められたかに見えた側近は、唇の端に一瞬ばつの悪そうな微笑を浮かべたが、ザーが玉座に腰を下ろして再びこちらを見据えるのを待って、もう一度口を開いた。
「いいえ陛下。他ならぬヴァーローレグより持ち去られた爆薬の処理を行った、ブリタニアのロイヤル・ガードの一行にございます。ヴァーローレグのガーゴイルたちは彼らに恩義があると見て間違いないでしょう。」
ザーは玉座に肘をつきながら、長いかぎ爪をこめかみに当て、何をか考えているふうであったが、おもむろに立ちあがると張りのある声でこう言った。
「その者を連れて来なさい。」
側近のガーゴイルは深く一礼し、きびすを返して去って行った。
ライブイベントの開始予定時刻は,各EM SITE上において次のように告知されている。週末から三日間を利用して1時間おきに開始時刻をずらして開催されるようだ。
日本地域各破片世界で開始時刻をずらして実施されるライブイベントは,インタレストゲームマスターの活躍していた頃にはしばしば見られたが,シャードごとの担当制となったイベントモデレーターでも採用されたということは,担当制の枠組みを超える人的資源を必要とするイベントなのだろうか。いずれにせよ,シャードを問わずいずれかの破片世界で参加したいというプレイヤー層には参加できる時間枠が多いことはありがたい。
【開始予定日時】
集合場所は,破片世界で一部異なる場合もあるが,トランメル世界ブリテインの戦士ギルド2階が開始地点になると予想される。
【集合場所】
トランメル世界 EMホール
トランメル世界 ブリテイン戦士ギルド2階
(六分儀座標: 10o 59′S, 1o 41′E)
ブリテイン戦士ギルド2階
(六分儀座標: 10o 59′S, 1o 41′E)
サーペンツ・ホールドのカウンセラーギルド
(六分儀座標: 153o 11′S, 115o 44′E)
トラメル世界 ブリテイン戦士ギルド2階
(六分儀座標: 10o 59′S, 1o 41′E)
トラメル世界 ブリテイン戦士ギルド2階
(六分儀座標: 10o 59′S, 1o 41′E)
トラメル世界 ブリテイン戦士ギルド2階
(六分儀座標: 10o 59′S, 1o 41′E)
トラメル世界 ブリテイン戦士ギルド2階
(六分儀座標: 10o 59′S, 1o 41′E)
イベント実施中のチャットとして,各破片世界で次のチャンネルが指定されている。
【イベントチャットチャンネル】
以前であれば、ヴァーローレグ(Ver Lor Reg)からムーンゲートまでの旅というのはさほど長く感じることはなく、彼女たち一行のようにへとへとになることもなかった。イルシェナーのヒューマンの数が増えたことで高まったヴァーローレグの街の緊張は、一部の商売人や家族にとって、もはや耐えられないレベルになってきていた。物価は上昇し、何世代にも渡ってこの街で暮らしてきたガーゴイルでさえ、そこでの生活を諦めざるをえなくなっていた。多くの者が、ザー女王(Queen Zhah)の申し出を受けて街を去った。ガードたちですら申し出に応じる者が出たほどだ。砂漠にいるヒューマンたちが砂を掘り起こしたために様々なモンスターが呼び寄せられた。加えて、エクソダスダンジョンに通じる穴が開いて機械モンスターが周期的に現れ始め、事態は急激に悪い方向に突き進んでいた。
ムーンゲートを目指して砂漠を横断中のヴァスウェン(Vas-Wen)は、片手を仲間のガーゴイルに差し伸べて引いてやった。彼女のもう片方の腕には、ガーゴイルの子供が抱えられている。一行のうち何人かは武器を持ち、この危険な地域で安全な道を切り開く役目を担っていた。ヴァスウェンはこの終焉が始まった時にかろうじて無傷で逃げのびた数少ないガーゴイルの一人だった。今の彼女は、かつて栄光と美に彩られた街から仲間のガーゴイルが逃げのびるのを手伝うためなら、出来ることはなんでもしていた。あれは全く突然の出来事で、今でもまだ夢のように思えた……。
何かが壊れる音がして、ヴァスウェンは石のベッドの上で飛び起きた。誰かが何かを落としてしまったのだろうと思い、横になって再び眠りにつこうとしたが、今度はもっと大きな破壊音が鳴り響き、眠るどころではなくなってしまった。その直後、アーチのかかった通路から、シューシューという音や火花と共に、巨大な怪物が飛び込んできた。直ちに駆け寄って来た一人のガードが怪物にスピアを突きたて、機械化された内部を引きはがすと、ヒューンとしぼむような音を立てて怪物の発動機は停止した。寝巻を握りしめたまま身動きできずにいたヴァスウェンは、このガードに目をやった。この時になって気づいたが、ガードの呼吸は荒く、その身体から血が流れ出て床に滴っている。驚きの表情を浮かべていたガードは、彼女の方を見やった。「このエリアの敵は片づけたと思っていたのに! 急げ、すぐに出て門に向かうんだ。もし戦闘の心得があるなら武装を忘れるな!」そう言うと、ガードは再び通りへと走り去った。ヴァスウェンは、周囲を警戒しつつ、先ほどガードが現れた石のアーチ通路に足を踏み出した。
ヴァーローレグは混沌の最中にあった。焼けた油と秘薬の匂いが混じりあい、追従するように吐き気のする血の匂いが漂っていた。悲鳴、武器がぶつかる音が街のいたる所から聞こえ、西の方ではガードたちがオーバーシーア(Overseer)、ミニオン(Minion)、そして一度は絶滅したとさえ考えられていたミニオンロード(Minion Lord)と戦っている姿が見える。山側の戦いでは、数では勝る軍勢も機械化モンスターどもを抑え込めず、戦いながらも次第に後退していることがヴァスウエンにも判った。すると近くの家から悲鳴が起こり、それが子供の声だと気づいてヴァスウェンは恐怖にかられた。反射的にヴァスウェンはその建物に向かって駆け出し、アーチ通路をくぐって突入した。ガーゴイルの子供が一人、目前に迫ったジャガノート(juggernaut)に襲われようとしている。自分でも思いもよらなかったほどの激しい怒号を上げて彼女は飛びかかり、露出した肉体部分に爪を立ててかきむしり、喉に届いたその爪で深々と刺し貫いた。とたんに怪物の喉から血と錬金物質の混合液体が噴出して表面の回路部分に降りかかり、火花が散った。この生物の全身からついに力が抜け、ギギーッという音と共にドリルが完全停止すると、怪物の全身でバチバチと光っていた火花もやんだ。
ヴァスウェンは子供に駆け寄り、この男の子を抱えあげた。そして彼女が倒した怪物のそばを過ぎようとしたとき、今度は先ほどの怪物のもっと凶悪なバージョンといった様相の怪物が壁を破壊して建物に侵入してきた。怪物の巨大なドリルはブルブル回転し、まるでドラゴンの爪が石の上で立てるような音を立てていた。ヴァスウェンが力強い羽ばたき一つで屋外に逃れた瞬間、建物は崩壊した。退却中の集団に合流し、ヴァスウェンは力強い救いの手に出会えた気分になった。そして、もう二度とあんな怪物に出会うことがないようにと願ったのだった……。
こうして彼女が先ほど起きたばかりの出来事を思い起こしている間にようやく目的地に到着し、一行はムーンゲートをくぐった。テルマーの陽光の中に出現した彼らを、一人のガーゴイルが発見した。このガーゴイルは直ちに街へ合図を送っていたが、その大きな声を途中何度も中断しては咳きこんでいた。街から走り出してきたヒーラーと公使がこのヴァーローレグの盟友たちへの応対にあたったが、その間もヴァスウェンはただ見守りながら、自分に何かもっと出来ることがあればよいのにと思っていた。
「この街に対しての献身と貢献、そして内外の脅威排除に対する支援活動を称え、ここに我々は、トリンシックにおける男爵の称号(Baron of the city of Trinsic)を贈るものであります。おめでとう、これからも期待しておりますぞ」短い式典は終わり、集まった男女は拍手を送った。新たな男爵の誕生だ。困難な状況は続いていたが、今が最悪の時だとは思わない者もおり、他の街の商人たち同様、トリンシックの商人たちも結束を固めていた。商業と、怒れる人々によって追放されたかつての貴族の生存手段を手中におさめた商人たちは、権力をいつでも我が物にせんとする勢いで、いまや事実上の支配者と言ってよかった。これは商人たちにとっては良いことだが、喜ばぬ者もいた。その中の一人がバルコニーから中庭を見下ろし、眼前の式典を茶番だと考えていた。
顎ひげを軽くなでた男は、傍らに控えて主人の表情から考えを読み取ろうとしている従者の方を向いた。数秒の沈黙ののち、男は従者に語りかけた。「クランシー(Clancy)よ、栄えある評議会の真似ごとをしている商人のことを、お前はどう思う?」明らかに、その言葉には苦々しい響きが満ちていた。
クランシーは一瞬眉をひそめ、ただ首を振った。「アークース様(Lord Archus)、わたくしにはこの街の将来にとって良い兆しだとは思えません」
アークース卿は向き直って集まった人々を再び見下ろしていたが、くるりと踵を返した。翻ったクロークが、床上すれすれを舞った。「確かに悩みの種ではあるが、私の目下の最大の関心事は別の事だ。ヴァーローレグでの出来事に対し、どう行動するべきか考えていたのだ。彼らが直面している問題の報せが届き、私の結論は出た。ついてこい。私が焼き払った高価な品々が実を結び、私の元に伝令が現れるかどうかが判るだろう。その伝令だけが……、あの男と繋がる可能性のある唯一の手段なのだ」
聞き間違いようのない音、すなわちヴァロライトがヴェライトに、鉄が銅に、ブロンズがアガパイトに激突する音が、戦場のいたるところで鳴り響いている。騎士が前進しようとすると必ずネクロマンサーが全力で阻もうとしたが、荒々しい騎士分隊は2、3人足らずの魔法使いの支援を受け、襲い来る野獣や暗殺者の攻撃を撃退しようと最善を尽くしていた。
一人の男の姿が現れ、鬨の声があがった。その磨き抜かれた鎧姿が最前線に突入し、続く馬群は風の中で激しくはためく旗を掲げている。男のヘルメットの側面は数々の打撃を受けて変形していたが、傷一つない頭頂部には、深い紫色の聖杯の飾りがついていた。目にもとまらぬ剣さばきと受け流しに、敵の野獣使い、毒使い、ネクロマンサーの陣形は瞬く間に崩れていった。前線が過ぎたばかりの場所には、自然の掃除屋たちがもう集まり始めている。戦いの中で邪悪な魔法に使われずにすんだ亡骸を、カラスやネズミが漁る。激しい戦闘音と熾烈な戦いの中では、他とは違った行動をとっているねずみが居ることなど、誰も気づきはしなかった。
騎士団のリーダーは、最後の総攻撃とばかりに大声をあげたが、彼の馬にファイアーボールが命中し、馬が倒れて彼は振り落とされた。男は徒歩で敵軍に近づき、敵のリーダーと思われる女めがけて素早い剣の一撃を放った。邪悪な唸り声をあげて女は剣をクリスで受け止め、両者は一瞬にらみ合ったが、男が盾を使って女を殴り払った。女は流れるような動作で口に運んだビンのコルク栓をくわえとって薬を飲み干すと、活力を取り戻した様子でこのプレート鎧に身を包んだ騎士を挑発した。二人は戦いを続け、二人の軍勢同士も戦いを続けたが、最終的には騎士が優勢に立ち、女を地面に叩きつけた。女の胸をプレートレッグに包まれた足で踏みつけて押さえ、男は相手の顔に剣を向けた。
「あの女の居場所を言え。言えば今日のところは正義ではなく慈悲の徳を見せてやろう。知らないなら、少しはマシなことを言い残せ」
ダガーのように鋭い目で男をねめつけた女は、血まみれの口元に暖かさのかけらもない笑みを浮かべると、不本意そうに答えた。「フン、彼女はあんたみたいな武者修行の騎士なんかの手の及ばない所にいるよ。それに、あんたよりずっと強いさ。あんたのちっぽけな王国はボロボロと崩壊中じゃないか、欠片はあたしたちがいただいて……」
女の言葉は途中で途切れた。騎士の剣が女を永遠に沈黙させたのだ。何も言わずに騎士は女から離れ、眼前の状況をうかがった。残存敵軍は明らかに退却中であり、彼の部下たちの多くは馬を失うか傷を負っていた。剣を振って血を払い、腰につけた鞘に戻しながら、男は自軍の副官の方へ向かったが、戦場を横切って駆け寄ってくるねずみに気づいて立ち止まった。ヘルメットを脱いで黒髪から汗を払うと、男はひざまずいてこの古き友を拾い上げた。
「まさかこんなところで会えるとはね、シェリー(Sherry)。ということは、緊急事態かい?」
騎士の声には今でも朗々とした響きがあり、最近では滅多に感じられない親しみやすさをシェリーは感じた。何も変わっていないものが少なくともここにはある、そのことにシェリーは心の中で感謝した。
「デュプレ卿(Lord Dupre)、実は現状のことで……」
デュプレはこめかみ付近を軽くなでていたプレートグローブをはめた手を止め、その手を使ってシェリーに「それ以上言わなくていいよ」と仕草で伝えた。「シェリーにとって、オレはただのデュプレでいいんだ。おいで。その話、酒でもなきゃ聞いてられない話じゃないといいんだが。とにかく、最高に美味しいごちそうを齧らせてあげるよ」そう言うと、デュプレは手綱をとって魔法使いがゲートを開くのを待ち、腕に乗せたシェリーと共にムーンゲートに入っていった……。
Written by the EM Team
It hadn’t ever seemed like such a long journey from Ver Lor Reg to the moongate before, but their group had never been so haggard either. As the humans in Ilshenar had increased in numbers the strain on the city of Ver Lor Reg had grown to the point that it was no longer sustainable for some of the businesses and families. Prices had increased to the point that many of the gargoyles who’d lived there for ages could no longer afford to remain. Queen Zhah’s offer had tempted many away, and even some of the town guards had taken it up and left. With the pressure of the humans in the desert sifting and drawing in monsters of all sorts, combined with the opening into Exodus dungeon emitting the mechanical monsters regularly, the situation had quickly started devolving.
Vas-Wen helped to drag along one of her fellow gargoyles as they made their way through the desert towards the moongate, with a gargoyle child in her other arm. The few among them with weapons were tasked with clearing a path through the dangerous areas. She was one of the few who had managed to escape uninjured when the end had started, and now she was doing everything she could to help her fellow gargoyles get away from what was left of their once glorious and beautiful city. It had just happened so fast, it still all seemed like a dream…
A crashing noise awoke her from slumber, causing her to bolt upright in the stone bed. Assuming someone had dropped something, she rolled over in an attempt to sleep but not before another, much louder, crash broke her attempt. A moment later a sparking and hissing monstrosity was flung through the open archway, and a guard quickly dashed in after it, burying his spear deep into the creature and ripping out it’s mechanized guts as the whine of its engine finally ceased. Vas-Wen clutched at her nightclothes as she looked to the guard, whose breathing she could now tell was ragged and from whom blood flowed freely onto the floor. The guard looked to her with a startled visage. “This area was supposed to already be cleared! Get out of here and head for the gate, and if you know how to fight, arm yourself!” With that the guard rushed out into the street once more. Warily, she stepped through the stone archway from whence the guard had just come.
Ver Lor Reg was in chaos. The scents of burning oil and reagents clung heavily in the air, and the sickening essence of blood followed it like a chaser. Screams and clashing weapons rang throughout the entirety of the city, and to the west she could see guards clashing with Overseers, Minions, and even those once thought extinct Minion Lords. She could see that there was no way the outnumbered force could hold the mechanized monsters at bay, and they were in a fighting retreat. Hearing a cry in a nearby home she realized with dread that it was that of a child. Without even thinking, she sprinted towards the building, bursting into the open archway in time to see a juggernaut enclosing upon a lone gargish child. With a roar of fury she didn’t even know she could make, Vas-Wen leapt on top of the creature and raked its exposed human parts until she reached its throat, and dug her talons into it. The mixed spray of blood and alchemical fluid that powered the monstrosity quickly seeped into the creatures exposed circuitry and it cast out arcs of lightning through its body until the creature slumped and its drill finally grinded to a halt.
She quickly moved forward to the child and took him up in her arms, heading past the defunct creature even as a much more vicious looking version of the one she’d killed smashed through the wall and into the building. The massive drill attached to it whirred with blurring speed and wailed like the sound of a dragon’s claws upon stone. With a flap of her wings she threw herself through the doorway as the structure collapsed, feeling strong hands help her up as she joined the retreat, hoping she never saw one of these creatures ever again…
As she’d thought back to what had just happened, they finally reached the moongate and stepped through. Exiting into the sunlight of Ter Mur they were spotted by one of the Ter Mur gargoyles who immediately sent out a wave of alarm, though amidst his shouts he had to pause to cough a few times. As the healers and envoys rushed out of the city to attend to their brethren from Ver Lor Reg, Vas-Wen could only watch and wish she could do more.
“For your contributions and your dedication to the city, as well as in removing and assisting in the detention of threats both domestic and foreign, it is the decision of this body that you be recognized as a Baron of the city of Trinsic. Congratulations and we hope that you will serve well.” The assembled men and women applauded as the brief ceremony concluded, and the newest Baron was named. Despite the hardships they’d endured, not everyone was finding this to be the worst of times, and the merchants of Trinsic had banded together as had those of several other cities. With trading and most of the means of survival in their hands with many of the former nobles ousted by the angry people, the merchants had been able to seize power, and were now in a state of de facto control. While this worked out well for them, not everyone was so pleased with it, one of them being the man who watched what he viewed as a farcical ceremony from a balcony overlooking the inner courtyard.
Stroking his goatee for a moment, the man turned to his servant that was with him, scanning his face for his thoughts on the matter. After but a few seconds he broke the silence and spoke to him. “Tell me, Clancy, what do you think of merchants assuming the role of lauded council?” Unmistakable sarcasm dripped with every word he spoke.
Clancy frowned for a moment and just shook his head. “Lord Archus, I do not think it bodes well for the future of our fair city.”
Lord Archus turned back to look down upon the gathered and then did an about face, his cloak hovering just above the floor. “As much as it bothers me, I fear it is not the primary concern at the moment. I’ve been trying to decide what is possible to do about the situation that’s occurred in Ver Lor Reg. After receiving word of the hardships they are facing I’ve come to my decision. Come with me, and we shall see if the expensive favors I burned have borne the fruit that I need and brought me the only messenger that might be able to get through to him…”
The unmistakable sound of valorite clashing against verite, of iron against copper, and bronze against agapite rang throughout the battlefield. A fierce contingent of knights backed up by a scant few mages were doing their best to fight off every attack thrown at them by the wild beasts and assassins that beset upon them, even while necromancers did their best to level the field anytime the knights started to make headway.
A rallying cry shot up as a man in gleaming, polished armor charged into the front lines, a banner flapping violently against the wind from the horses back as he threw himself into the fray. His helmet was adorned on either side with a battered but clear crest, that of a deep violet chalice. Dazzling sword strokes and parries were flung against the enemy combatants, causing the beastmasters, poisoners, and necromancers formation to quickly crumble. Even as the line advanced the scavengers were already starting to populate the battlefield, rats and crows finding those bodies not already used up from the foul magicks being used. Amidst the noise of battle and the intensity of the fighting, an abnormally behaving mouse was never noticed.
The leader of the knights shouted out for one last surge, and he dismounted as a fireball lanced out and took his steed upon its flank. On foot he closed the distance between himself and the one who appeared to be his opposite number amongst the enemy forces, and quickly brought his blade to bear against her. With a vicious snarl the woman raised a kryss to block, and they locked blades for but a moment before he managed to bring his shield to bear, and bashed her with it. In a single motion she brought a potion to her lips, ripped the cork out and drank it, and with an invigorated look she motioned for the plate armored knight to come at her. Both of them fought on even as their armies continued to battle, until finally the knight managed to gain the upper hand and knocked her to the ground. Hefting one of his plate armored boots onto her sternum he leveled his sword to her face.
"If you know where she is, tell me, and I will serve the virtue of Compassion over Justice today. If you don’t, then I hope your last words are worth it.”
The woman glared daggers at him, a bloody mouthed smile playing across her lips that was devoid of anything resembling warmth as she coughed out her answer. “She’s beyond your reach, Knight-Errant. And she’s beyond your power too. Your little kingdom is crumbling at the seams and we’ll be there to pick up the pieces when…”
Her response was cut short as the knight drew his sword back and silenced her forever. Without a word he turned from her body, surveying the scene before him; those enemy forces still alive were now in full retreat, and most of his forces were walking, if not unwounded. He slashed the blood from his blade and slid it home into its sheath at his waist as he approached his lieutenants, but was stopped as a peculiar rodent ran across the battlefield to him. As he saw her, he doffed his helmet and shook out the sweat from his raven locks, before kneeling to pick up an old friend.
“You are the last I expected to see in these lands, Sherry. I can only assume that it’s of dire importance.”
The knights voice still had a sonorous quality to it, one that brought a touch of familiarity that Sherry had found less and less of amongst others of late, and she made a silent thanks that at least here something hadn’t changed.
“Lord Dupre, it’s about the current state of…”
Reaching a plate gloved hand up he rubbed at his temples lightly for a moment before he held that same hand out in a gesture of asking her to halt. “For you, it’s simply Dupre. But come, I fear this is the kind of talk I won’t be able to handle if I don’t have access to a drink. I promise to only get you the finest of delicacies to nibble on as well.” With that having been said, he gathered up the reins of his steed and waited for one of his mages to provide them with a gate, and stepped through it with Sherry the Mouse in one arm…
西側の壁から金属と石がぶつかり合う音が再び響き渡り、埋没した神殿に繋がる穴からまた別の機械生物が這い出してきてガーゴイル防衛軍に襲いかかった。この生物たちだけなら重大な脅威ではないが、僅かなミスが怪我に繋がりかねず、機械生物と違ってガーゴイルたちは自軍を補充できないことが問題だった。
西側の壁から金属と石がぶつかり合う音が再び響き渡り、埋没した神殿に繋がる穴からまた別の機械生物が這い出してきてガーゴイル防衛軍に襲いかかった。この生物たちだけなら重大な脅威ではないが、僅かなミスが怪我に繋がりかねず、機械生物と違ってガーゴイルたちは自軍を補充できないことが問題だった。それに加え、悠久の眠りにつく主を祀る機械神殿の邪悪で狂気に満ちたコントローラーたちに脱走ガーゴイルたちが合流し、ヴァーローレグ(Ver Lor Reg)は不安定な状況下にあった。猛々しい肉弾戦の音は遠ざかっていったが、それとは全く異質の、それでいて同じくらい熱い戦いが評議会の会議室内で繰り広げられていた。
「我らはこの地の生物に対処した。ヴァーローレグの始まりより。決してたじろぐことはない。やつらを征服しないのは、我らの民にふさわしくはない。ザー(Zhah)の申し出を受け入れることは、適切ではない」
ヴィスレム(Vis-Lem)の革のように堅い翼が立てる音が、ガーゴイルの不快感を如実に示していた。「好ましく寛大なのは、ザーが申し出た避難所と話だ。ヴィスレムよ、失うのは己の力と案じているのか?」
一瞬、ヴィスレムはレスヴォル(Res-Vor)に向かって歯をむき出した。「ヴァーローレグの創立は偉大なる業績、これは控えめな表現にすぎない。機械どもは脅威ではあるが、流入する来訪者が生むのは、大いなる商機……」
アンレルタール(An-Rel-Tar)がカギ爪のある手を挙げ静まるように制し、全員が沈黙した。この老ガーゴイルの声を誰も耳にしなくなってから、かなりの時が経っていた。短く咳払いをして彼は立ちあがり、ストーンテーブルの周りにいる他のガーゴイルたちに身振りで伝えた。「エルフ……、ヒューマン……、そして仲間のガーゴイルでさえも我らの資源を圧迫している。土地や我らの魔法使いによる供給にも限りがあり、イルシェナー中央部が閉ざされている今、多くの資源に手が届かない状況だ。ゴールドは大切だ。それは確かだ……。だが、ブリタニア人が彼らの街中で襲撃者に襲われ、キャラバンが激減しているのに、ゴールドを何に使うというのだ? そのことをよく考えよ、我が友よ……。これは難しい決断だ。我らは絶壁の上に立たされておる。飛び込むような真似をしてはならん」
アンレルタールは伝え終えると、退出するため踵を返した。他のガーゴイルたちは、たとえ他にどんな意見があろうとも、少なくとも今は会議が終わったのだと悟った。
サンレム(San-Lem)は、ヴァーローレグでヒーラーとして数年間を過ごしてきた。それ以前はイルシェナーの荒野を放浪しており、そこで生き延びたことは彼女の危機察知能力と回避能力の高さの証であった。最近街中で起きる数々の小競り合いは、彼女や他の者たちに現状に対する不安を抱かせ、街の賑わいは気休めにならなかった。変化によって変化が起きる……、そう彼女は考えた。そして変化というものは、しばしば暴力的かつ破壊的なプロセスなのである。数週間前にサンレムは決断し、有り金をはたいて糧食や必需品を買い揃え始め、今ようやく準備が整った。このひんやりとした大理石を爪の生えた足で感じられなくなると思うと悲しかったが、心は既に決まっていた。
街のゲートを出て大きな大理石の柱群の間を進む。この柱群はイルシェナーの砂漠をガーゴイルたちが征した証だ。街に最後の一瞥をくれてから、サンレムは羽を広げた。方向を変えて北に向かい、見たこともない道具を持ったヒューマンの小集団の近くを通り過ぎた。彼らは砂漠からざっくりと大量の砂をすくい取っては砂をふるい落とし、岩、石のかけら、古代建造物の大理石などを探していた。彼らの何世代分もの時間を生きようとも、ヒューマンというものは理解しがたい、そう考えて首をふったサンレムは、自らの旅を続けるのだった。
タウンクライヤー協会においてもただちに報じられていた。
ヴァーローレグの異変がブリタニアにも飛び火! ザー女王は事態の収拾に乗り出すか?
Written by the EM Team
The thundering echoes of metal clashing against stone rose up again from the western walls, as yet another of the mechanical beasts managed to clamber its way out of the hole that led to their entombed shrine to do battle with the Gargish defenders. Alone the creatures were not a lethal threat, but any mistake would lead to injuries, and the gargoyles could not replenish their forces as the machines did. Add to that the defecting gargoyles that joined the twisted and insane controllers inside the mechanized temple to a long dormant deity, and Ver Lor Reg sat on a precarious perch. And though the sounds of valorous physical battle carried from the site, a far different but decidedly no less heated battle took place inside their council chambers.
“To say we have dealt with the creatures of this land since Ver Lor Reg was created and we have never once faltered. To think that this is an unconquerable force is unworthy of our people. To say that we should accept the offer of Zhah…is unbecoming.”
A rustling of leathery wings showed the gargoyles’ displeasure at the tone struck by Vis-Lem. “Zhah’s offer of refuge and treatise is favorable and generous; Driven by worry of losing some of your power, Vis-Lem?”
Vis-Lem bared his teeth for a moment at Res-Vor. “To say that establishing Ver Lor Reg was a monumental accomplishment is an understatement; The machines are threatening, but the influx of visitors is helping businesses…”
An-Rel-Tar raised a clawed hand for a moment for silence, and everyone ceased. It had been some time since they had heard the aged gargoyle speak. Clearing his throat for a moment, he stood and gestured to the other gargoyles at the stone table. “The elves…humans…and even fellow gargoyles are straining our resources. There is only so much the land and our mages can provide, and with central Ilshenar sealed so have a plethora of our resources been sealed beyond our reach. The gold is good, yes…but of what use is it when the Britannians suffer from raiders in their own cities and caravans are scarce? Think on it long and hard, my friends…It is no easy decision to make. We stand at a precipice, and must make sure we do not plunge off of it.”
As An-Rel-Tar finished, he turned to walk out and the other gargoyles knew that regardless of whether or not they had anything else to say, for now at least, this meeting was finished.
San-Lem had spent several years as a healer here in Ver Lor Reg, and before that she’d wandered through the wilds of Ilshenar, and it was a testament to her ability to recognize danger and steer clear of it that she’d survived as long as she had. The recent skirmishes in the city had set her and many others nerves on edge regarding the current situation, and the heavy traffic through the area didn’t help. Change begets change, she thought…and change was often a violent and destructive process. She’d made up her mind some weeks ago, and had only just now finished her preparations, trading what coin she had for rations and supplies. It ached within her to think of no longer being able to feel the touch of cool marble beneath her clawed feet, but she’d already made up her mind.
As she passed through the gates of the cities and headed between the great marble pillars that marked where they had conquered the deserts of Ilshenar, she took one last look at the city before drawing her wings around her. She turned and headed north, passing a small group of humans with some sort of tool she’d never seen before. They were taking great scoops of the desert up and shaking loose the sand, finding rocks and bits of stone and marble from the initial constructions. Shaking her head she walked on, thinking that she’d never understand the humans no matter how many generations of their people she lived through.