2012年06月04日
薬のレシピ

薬のレシピとは,2012年6月2日22時より Asuka において開催されたロールプレイイベント。4月22日に開催されたライブイベント,不思議な花の続編にあたる。

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2012年05月31日
薬のレシピの開催について(EM Misaki)
2012年06月02日
薬のレシピ

2012年6月2日 薬のレシピ

2012年6月2日22時前に Asuka の徳之諸島誉島ムーンゲート東の大地に描かれた奇妙な幾何学模様,通称庭園へ訪れた。そこには既に数多くの冒険者が詰め寄せ,庭園を埋めていた。

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この庭園は,徳之諸島独特の不思議な造形物だが,ブリタニアで類似するものを思い浮かべるにしても,ブリテインとトリンシックとの間に創出された地上の迷宮,ヘッジメイズくらいしか思い出せない。しかし,ヘッジメイズはあくまで魔術師が外部との交わりを絶つことを目的として創出させた迷宮であるのに対して,この地の庭園は美しさだけを追求したものだ。

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22時を回り,冒険者が辺りの様子を気にし始めた頃,誉島ムーンゲートのある西の方角からひとりの少女が駆けてきた。少女は冒険者たちと挨拶を交わすと,庭園の中央へと歩み進む。少女の名は小春(Koharu),以前冒険者たち庇護のもと母親の楓(Kaede)のために花詰みをして旅した少女だった。

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Koharu
みんな,こんにちは!今日は庭園に遊びに来たんだよ。

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小春が挨拶を交わしていると,小春のやってきた方角とは逆,庭園の東手から紅に輝くドラゴンの姿が目に入った。ドラゴンは冒険者に囲まれる小春に気づくと,同じく庭園へと分け入ってきた。

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それは,以前に冒険者たちも小春とともに洞窟の奥深くで出会った若き紅のドラゴン。病弱な小春の母,楓のために薬の調合に挑戦すると言って分かれたティアであった。

Tia the Young Dragon
小春ちゃん,お久しぶり。

Koharu
わぁ! ティアさん!こんにちは!

Tia the Young Dragon
こんなところにいたのね,探したわよ。

Koharu
小春がここにいるって,よくわかったね。きょうはどうしたの?

わざわざ小春に逢うために徳之諸島までやってきたというティアは,早速その本題を口にし始めた。

Tia the Young Dragon
あなたのお母さんの為のお薬なんだけど……。

Koharu
お薬できたの!?

Tia the Young Dragon
……。ごめんなさい,小春ちゃん。まだ出来てないの。

Koharu
うぅ……そっかぁ……。

しかし,まだ出来ていない,というティアの言い様に,決して調合の道が絶たれたわけではないとの意が読み取れた。

Tia the Young Dragon
人間の治療の為に必要なものが分からなくてね……。それで,友達に相談してみたの。そしたら,ちょっと手がかりになるかもしれない話があってね。

Koharu
手がかり?ティアさんのお友達が何か知っているの?

Tia the Young Dragon
私の友達が,ダンジョンで倒しても倒しても,何度も立ち上がる人を見たって言うの。

Koharu
た……倒した……。

倒す,という表現に及び腰となる小春だったが,ティアは更に言葉を続けていった。

Tia the Young Dragon
彼曰く,人間と戯れているだけみたいよ。それで,その見かけた人に会えば,体調の回復の仕方も分かるんじゃないかなと思ってね

Koharu
お薬とか持ってるのかな……小春会ってみたい!

手掛かりがあるなら是非もなく,といった勢いでティアの話に応じる小春。冒険者たちもその人間とは誰なのか憶測を口にしていったが,実際に確認しなければわからないことだろう。

Tia the Young Dragon
今からその人を見た友達に,詳しく話を聞きにいこうと思うんだけど,小春ちゃんも来る?

Koharu
ダンジョンにいるドラゴンさんって……怖くない……?

小春が日頃遊びに出かけている場所も十分に怖い場所のはずだが,考えなしに出かけているから自覚もないのだろう。そんな小春だから,臆したのも一瞬のこと。

Tia the Young Dragon
大丈夫よ。変わったドラゴンだけど気にしないで。みなさんもよかったらついてきてください。ダスタードの中には入らないから安心して。

ティア自身も冒険者から見れば変わったドラゴン。ティアとも平然とやり取りを交わす小春は,変わったドラゴンと聞いて臆することはなく,逆に興味を更に持ったようだ。

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Koharu
みんないくよー

小春のかけ声とともに,ティアの後へと続く冒険者たち。

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創出されたムーンゲートを潜り,辿り着いたのはトランメル世界。大陸南西部,デスタードと呼ばれる巨大洞窟が口を開けるドラゴンヘム山脈の西裾だった。

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そこに悠然と立っていたのは,ティアよりも遙かに巨大な躯の蒼きドラゴン。

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山際に押し寄せた冒険者らをみやり,その熱気に当てられたように見えた蒼きドラゴンだが,翼を広げて真上をばっさばっさと旋回した。

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Crave the Dragon
なんだなんだ?おや,こんなに人が……。今日は狩りがいがあるな。

Koharu
か…かるの…?

蒼きドラゴンの物言いに,おずおずと訊ねる小春。しかし,ティアはそのような会話を聞き流して本題となる話を訊ねた。

Tia the Young Dragon
こんにちは、クレイブ。みんな友達なんだから狩らないでよね。例の話を聞きにきたわ。

しかし,ティアからクレイブと呼ばれた蒼きドラゴンは,無粋とばかりに軽口で応じた。

Crave the Dragon
やぁティア!今日も可愛いね。さぁ,いつものように,僕に飛び込んでおいで。そんな人が多いからって,照れなくていいんだよ。君の赤く火照った身体を,僕の翼で優しく包み込んであげるから。そして君と僕は二人きりのランデブー……

Koharu
……?

小春越しにティアに抱き付くのかと慌てて冒険者たちが悲鳴を挙げる。二匹のドラゴンの抱擁に挟み込まれては幼い小春はひとたまりもなかろう。しかし,ティアはそんなクレイブの軽口に対して,辛口に応じた。

Tia the Young Dragon
……また翼を折ってほしいの?そう……分かったわ。

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小春の頭越しにごうと炎を吐くティア。小春の頭に禿が出来ていないか気になるほどだが,クレイブの軽口を止めるには十分だったようだ。

Crave the Dragon
……すまない,冗談なんだ……勘弁してくれ……。

Tia the Young Dragon
ふん

しょんぼりとうなだれるクレイブ,巨躯を見る限りではティアよりも成熟したドラゴンのはずだが,気の強いティアに合わせて軽口を叩いているのだろうか。

Crave the Dragon
ところで,その娘さんが例の子かい?

Tia the Young Dragon
そうよ,小春ちゃんっていうの。よろしくしてあげて。

Koharu
は……はじめまして……。

クレイブに対して引き気味に挨拶する小春。ティアよりも更に巨大なドラゴンを間近にして竦んでいるのか,あるいはクレイブの軽口に呆れてしまっているのかは判然としないが,小春の物怖じしない性格を考えれば,後者なのだろう。

Crave the Dragon
やぁ小春ちゃん、はじめまして。引かなくてもいいだろう……。僕の名はクレイブさ。

引いて当然との声が冒険者たちから挙がり,クレイブも内心では傷ついたかもしれないが,小春に対して優しく言葉を続けた。

Crave the Dragon
ティアから話は聞いたよ。君の為にティアが薬を作ってるんだってね。それで,ティアは作り方が分からないみたいだけど,ここに来る人間で,時々変な奴がいてさ。倒しても倒しても回復するから,そいつに聞いてみたらいいんじゃないかなと思ったんだよ。何か回復する薬でも持ってるんじゃないかってね。

Koharu
その人ってどこにいるの?

ティアからおおよその話を既に聞いていた小春は,真っ先にその人間について訊ねたが,クレイブの回答は意外な場所だった。

Crave the Dragon
それが,ついていってみたんだけどさ。着いた先が……ロックって場所知ってるかい?

Koharu
ロック?どこだろう……聞いたことはあるような……

Tia the Young Dragon
最近はほとんど行かない場所ね。それで,ロックに行ってどうだったの?

イルシェナー世界の東端,入り組んだ山岳地帯の奧に位置するロック,山岳地帯に残る遺構の多くは廃棄された鉱山に魔物が住み着いてしまい,後世になってダンジョンと呼ばれるに至った例が多いが,このロックは明らかに人工的な地下迷宮として建造されたものだ。しかし,あまりに僻地に存在するためか調査も不十分であり,この地を訪れる冒険者は決して多くない。少なくとも,デスタードでの戦いを終えた者が,そのような地に帰っていくというのは不自然だった。

ついでに気になると言えば,わざわざその後を追跡したクレイブ。ティアからの話を聞いて積極的に調べようと思い立ったのはわかるが,トランメル世界からイルシェナー世界への世界移動でも追跡を継続し得たストーキング技術は特に秀でたものだろう。

Crave the Dragon
何人か人間は見えたんだけど,モンスターも結構いてさ。中に入れなかったんだよ。

クレイブの追跡を断念した理由を聞いて,呆れたように一瞬無言となるティアと小春。

Tia the Young Dragon
クレイブ……あなたって本当に役に立たないわね……。それでもドラゴンなの?

Crave the Dragon
多勢に無勢だよ。危険な橋は渡らないんだよ僕は。でも,ここに来た奴が,何でロックに行くんだろうな……。怪しすぎるんだが……。

Tia the Young Dragon
たしかに、わざわざ人の少ない場所にいるというのが……。ダンジョンでの怪しい行動も,何か関係あるのかしら。その怪しい人,気になるわね。

Crave the Dragon
そうだな,体を治す手がかりも掴めるかもしれない。ティア,見てこいよ。

情報提供して助勢は終わりさ,と言いたげのクレイブ。

Koharu
……。

Tia the Young Dragon
あなたも来るのよ。なに?やっぱり怖いの? それでもドラゴンなの……?

Crave the Dragon
な……!ち……違うっての……!行くに決まってるだろう……!ティアの身に万が一の事があったらいけないしな!

Koharu
……。

Tia the Young Dragon
自分の身は自分で守るわ。みんなもついてきてもらえるかしら?みんなと一緒なら,クレイブも怖くないでしょう。

ティアとクレイブとのやりとりに,唖然としていたのか無言を貫いていた小春がぼそりと訊ねた。

Koharu
クレイブさんって……よわい……?

Crave the Dragon
そんなことないっての!俺が全員守ってやるからな!それじゃあロックまで案内するか。

Tia the Young Dragon
ほんとかしらね・・・

Koharu
心配だよ…

Crave the Dragon
迷子にならないように、チャットチャンネル“Asuka EM Event”に入っておくといいぞ。準備できた奴からついてきな!

慌てて否定するクレイブは,岩肌から飛び立つと群れなす冒険者たちの南手にムーンゲートを創出させた。

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冒険者たちは次々と続き,ムーンゲートへ飛び込んでいった。

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そこはクレイブの語っていたイルシェナー世界,ロックの入口だった。

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Tia the Young Dragon
クレイブ待って!どこ行ったのよクレイブ!

Koharu
ティアさん、クレイブさんどこ……?小春はぐれちゃったかも……。

だが,ティアと小春が遅れてムーンゲートを潜ると,そこには既にクレイブの姿はなかった。どうやら既に先発の冒険者たちとともにロック内部へと突入してしまったようだ。入口で合流することができたのは,ティアのみ。三者は移動の混乱で分断されてしまっていた。

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Tia the Young Dragon
どこ行ったのよクレイブ!中かしらね。

とにかく捜索を開始しようと,ロック内部へと突入。既に内部各所では,冒険者たちの行く手を阻む魔物たちとの交戦が開始されていた。しかも,冒険者たちの進軍を阻む魔物たちはガーディアンとしての特性を備えていることが確認された。

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処刑人(the executioner)や強酸の精霊(greater acid elemental)に加え,ロック固有種のリッチ(a rock lich)や毒の精霊(a poison elemental)など様々な魔物がガーディアンとして襲いかかってきた。

狭いロック内部の回廊で行く手を阻まれつつも冒険者たちはロック西方にある広間へと抜け,集結を果たしていく。

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宝の守護者(Guardian)の魔力に覆われている。彼らを倒さなければ触れそうにない!

広間の先は血に染まったような濃赤色の壁に阻まれ,それ以上の進軍は不可能だったからだ。ここで歩みを止めた冒険者たちはクレイブ,そしてティアとの合流を果たして広間内の掃討に突入することとなった。

ほぼ制圧かしら

Crave the Dragon
そうだな,かたづけた!!同胞のドラゴンの諸君,このへんをあけてくれたまえ!

Tia the Young Dragon
少しあけてもらえないかな,小春ちゃんが見えないわ

Crave the Dragon
小春ちゃん……。

ガーディアンの掃討を終えて,小春が見あたらないことに気づき困惑するティアとクレイブ。広間内では依然として毒の精霊が断続的に冒険者たちに襲いかかるなか,壁の向こう側に人影が見えた。

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それはあろうことか,探していた小春だった。冒険者たちが突破できぬまま時間を費やしていた壁の向こう,小春は思いも寄らぬ経路で向こう側へと出てしまったのか。

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驚く一同であったが,その小春の後ろに新たな人影が現れ,悲鳴に変わった。

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戦うすべを持たぬ小春が,護衛もなしに襲われればひとたまりもない。だが,現れた処刑人は小春を掴むと,回廊の奧へ奧へと引き摺るように連れ去ってしまった。

Tia the Young Dragon
小春が…助けないと!

Crave the Dragon
小春ちゃん!!!

小春を助けようにも目前の壁を突破することができず困惑していると,先ほどの処刑人が再び回廊を走り戻ってきた。

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Tia the Young Dragon
どうなってるのよ,これ。

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壁の向こう側からであれば広間へ行く抜け道でもあるのか,処刑人は一端姿を消したかと思えば,次の瞬間には広間の南手にその姿を現していた。

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Bernaed the executioner
実験ニ使ッチャウ!オ前タチ、ココデオサラバ。

冒険者たちは大胆にも広間へと現れた処刑人を前に身構えた。しかし,二匹のドラゴンたちは小春の連れて行かれた回廊の先を眺め,なんとか壁を突破できないかと苦戦していた。

Crave the Dragon
ティア! この壁を壊すの手伝ってくれ!小春ちゃんが!

Tia the Young Dragon
わかったわ。なかなか壊れない壁ね

Crave the Dragon
くそ!この壁!!!

Bernaed the executioner
ケケケッ……!

薄気味悪い笑い声を挙げながら,広間に何者かを召喚する処刑人。それは闇のように黒いガーディアン,a Rock guardian mage (Guardian)だった。

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Tia the Young Dragon
何か沸いたわよ!

ガーディアンの再出現によって再び激しい戦闘音に包まれる広間。しかし,圧倒的な物量で臨んだ冒険者たちによって次々と駆逐されていった。そしてまた,ドラゴンたちも壁を突破しようと奮戦していた。

Crave the Dragon
がしがし,こわれろーーー!

Tia the Young Dragon
クレイブ!

Crave the Dragon
*どしどし*
*ガンガンガン!*

Tia the Young Dragon
びくともしないわね

Crave the Dragon
ううう,つ……つめが。

Tia the Young Dragon
もう一度,叩くわよあいて!

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爆炎の広がりとともに壁の一角が崩れ去り,狭い回廊を一気に駆け抜ける冒険者たちと二匹のドラゴン。しかし,回廊の先に小春の姿はなく,代わりにムーンゲートの光が回廊の奧にはあった。

迷わずムーンゲートの光に飛び込むと,そこはロックとは異なる場所,山岳地帯の谷間で孤立した高原地帯だった。

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回廊を突破してきた敵を迎え撃つための罠だったのだろうか,二つのムーンゲートで分断された冒険者たちに,待ち構えていたガーディアンが襲いかかってきた。

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a greater skeleton (Guardian)

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a lady ghost (Guardian)

Tia the Young Dragon
みんな二手に別れてゲートに入ってね。

私自身は,真っ先にムーンゲートへ飛び込んでしまったため,待ち構えたガーディアンの集中攻撃にあっさり轟沈してしまっていたのだが,遅れてクレイブもやってきた。どちらのムーンゲートへ進むべきかわからぬ以上,二匹のドラゴンも分かれて進むことを選択したようだ。

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Crave the Dragon
*ブルブル*

しかし,クレイブは激しい戦闘音を避けるかのように,高原地帯内をぐるりぐるりと回るばかり。そうする間に冒険者たちの手によって高原地帯に待ち構えていたガーディアンは一掃されていた。

Crave the Dragon
さあ,どうやら片付いたみたいだな!さすがだよ,みんな!とくに同胞のドラゴン諸君!

ようやく安心,とばかりに高原地帯の中央へとやってきて,冒険者たちへ檄を飛ばし始めるクレイブ。しかし,まだガーディアン勢力は余勢を残していたらしく,クレイブの傍に新たな敵影が現れた。突然のことに狼狽えるクレイブ。

Crave the Dragon
!!!??なんかきたーーー!なんかきたー!

混乱するクレイブの脇から現れたのは,Guardian of the Executioner 。しかし,クレイブに注視していた冒険者たちはその存在をすぐさま確認し,再び圧倒的な物量を高原地帯中央部に集中させていった。

Crave the Dragon
えいえい,とお,うりゃー,うりゃうりゃ,敵は弱ってる!!もうすこしだ,もうすこしだーーー!!

クレイブ自身も躊躇しつつ最後のガーディアンには戦いを挑む。先ほど壁を削ったことで爪を痛めてしまっていたようだが,それでも参戦したようだ。

Crave the Dragon
*はあっはあっ*
が……がんばった。き……きついな,ちょっと。

それだからもてないんだよ

Crave the Dragon
がーん!!ちょっと……敵の回り,あけて,も……もらえるかな?かな?

何もしてない癖に戦利品だけは漁りたいのか

Crave the Dragon
まあそういうなって,小春ちゃんのためさ。それにしても何なんだこいつらは……。しかし,さっき見た奴も小春ちゃんも,ここにはいないな……。手がかりはないのか……。

*ごそごそ*
*ごそごそ*

む……これは何だろう……“A medicinal recipe”と書いてあるな……。薬のレシピか……これが奴の使っていたものだろうか……。あとは……。あ,“作業部屋”と書かれたルーンがあるな。怪しすぎるなこれ……。奴はここにいるかもしれないな。

調査によって薬のレシピと作業部屋へのルーンを得たクレイブは,早速ルーンを使って移動を開始した。クレイブの創出したムーンゲートは,常とは異なる眩いものだった。

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宝の守護者(Guardian)の魔力に覆われている。彼らを倒さなければ触れそうにない!

Crave the Dragon
いってみよう!!

ムーンゲートに触れると,先ほどの濃赤色の壁と同じように,ガーディアンによって守護されたものだとわかる。しかし,それを臆せず潜り抜けることで,全く別の,またもやダンジョンと思われる石壁に囲まれた回廊に立っていた。

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クレイブ一行が現れたのは,中央にある大広間から東手の回廊。広間へと抜けると既にティア率いる別働隊も同じくこの作業部屋の存在に辿り着いたらしく,合流を果たすことができた。おそらくティア一行は西手の回廊へ辿り着くルーンだったのだろう。

そして,広間の南手には,小春を連れ去った処刑人の姿もあった。

Bernaed the executioner
ウググッ……。

Tia the Young Dragon
クレイブが来るの,まってる…っと,クレイブ!

Crave the Dragon
おまたせ!!ティア!

Tia the Young Dragon
遅かったわね,う…小春……小春はどこへ行ってしまったのかしら。

Bernaed the executioner
ウググッ……。

そして伝説へ…

Tia the Young Dragon
伝説になったら困るじゃない!

Bernaed the executioner
オ…オレ達ノ ボスガ……。

Tia the Young Dragon
あ!あいつ

Crave the Dragon
どこだ……どこ!?

Bernaed the executioner
ググッ

Tia the Young Dragon
小春はどこなの!? 今すぐ教えなさい!

小春の居場所を探しだそうと詰め寄るティアとクレイブ。しかし,処刑人自身は小春のことなどお構いなしに怒りを露わにしていた。

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Crave the Dragon
こいつ……!

Tia the Young Dragon
実験って…

Bernaed the executioner
オ前タチ,許サナイ。オレ戦ウ。

Tia the Young Dragon
何で戦うのよ!

ティアの制止も虚しく,処刑人はここへ来るまでに一行が打ち倒してきた数多くの処刑人らと同様に,ガーディアンとして単身挑んできた。

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Bernaed the executioner (Guardian)

Tia the Young Dragon
クレイブ,ちゃんと守ってよね!

慌ててクレイブに助けを求めるかのような言葉を発するティア。しかし,一行へと襲いかかった処刑人は,その一瞬でダンジョンの床へ倒れ伏せた。

Tia the Young Dragon
あれ,もう倒されちゃった!?

Crave the Dragon
ぼくがたおした!

ティアに期待の声を掛けられてやる気になったということなのだろうか,今まで乗り気でなかったクレイブが倒したとの言葉に,ティアも動揺して話をそらす。

Tia the Young Dragon
や…やったけど……小春ちゃんは……。どこかしらね

Crave the Dragon
小春〜〜〜!!

Tia the Young Dragon
天井裏!?クレイブ!天井裏よ

Crave the Dragon
小春ちゃん!!!

ここでティアは,姿を見せぬ小春が天井裏にいることに気づいたようだ。しかし,ダンジョンに天井裏の空間が設けられているなど未だかつて知り得なかったことだ。このダンジョンが特殊な構造ということだろうか,しかし,ロックもまたそのような複層構造であるとすれば,小春が誰も辿り着けていなかった場所に現れた理由も説明ができる。

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突然姿を現した小春は,泣きながらティアたちのもとへと走ってきた。

Koharu
ディアしゃん,グレイブしゃあん!!びいえぇぇぇん!

Crave the Dragon
なにもされてないか!? 大丈夫か!?

Tia the Young Dragon
小春ちゃん…! よかった! 怪我はない!?

Koharu
ううっ……だいじょうぶ……
*ぐすっ*

Tia the Young Dragon
よかった……。

こうして無事に小春とも合流することができた一行。しかし,予想していなかった小春の拉致にすっかり気を落としてしまったクレイブ。

Crave the Dragon
すまない……危険なところに連れてきてしまった……。

Koharu
ううん……小春だいじょうぶだから……。

Tia the Young Dragon
クレイブ,あなたのせいじゃないわよ。小春ちゃんも無事だったんだし,気にすることないわよ。

Crave the Dragon
うぅむ……(もっと守れるようにならないとな……)
*ぼそっ*

Tia the Young Dragon
?クレイブ、何か言った?

Crave the Dragon
いや,何も……。そういえばさっきさ,倒した奴がレシピ持ってたんだけど,これじゃない?こいつらの使ったのって。

Tia the Young Dragon
えぇ,それ私も見つけたわ。見てみたけど……「体力を全快する薬」って書いてるわね。

クレイブが秘めた決意を新たにするとともに,入手した処刑人たちのレシピについて再確認された。既に普及しているポーションよりも遙かに強力なポーションの研究をこの地で行っていたということだろうか。しかし,研究をするほど処刑人たちが錬金術に精通しているとは考えにくいことだった。

Koharu
そのお薬,小春さっきもらったよ。

Tia the Young Dragon
えっ? 小春ちゃん持ってるの?

Koharu
うん,あとでこれを飲むんだよ。これで体力が回復するからねって言われて,渡されたけど……。でも,小春聞いてみたんだ。これで病気が治るの? って。そしたら,体力は回復できるけど,まだ病気は治せないって言われた……。

Tia the Young Dragon
そうなの……。やっぱり実験でもしてたのね。

Koharu
うん、まだ…

小春を実験体にしようとしていた,と考えるのが筋ではある,ということは小春が受け取った薬はいまだ試薬の段階。処刑人らがデスタードに出入りしていたことから,処刑人たちもまた実験体に過ぎなかったのではなかろうか。であれば,頻繁にデスタードを出入りしていた処刑人の語り口が,妙にたどたどしいものであったことが気になる。試薬は,人間の知性に悪影響を及ぼす副作用でもあったのではなかろうか。

Tia the Young Dragon
でもこれで人間の体力が回復するのなら,私たちの薬草を使えば,病気も治せるかもしれないわ。

Koharu
えっ!? ホントに!?

Tia the Young Dragon
ここまで来たんだから,やってみるわ。薬草も持ってきてるし。小春ちゃん,そのお薬を貸して。

Koharu
うん!

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Tia the Young Dragon
みんな少し離れててね。

Crave the Dragon
何で離れないといけないんだ……こわいな……。出来るのかよ……。

Koharu
は…離れる…?
*ドキドキ*

ティア自身もどのようなものができるかわからないらしき新薬。ティアの傍らにいたクレイブと小春も慌てて冒険者たちの傍へと離れた。

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Tia the Young Dragon
*薬草を瓶の液体に溶かす*

調合することで気化したのだろうか,広間に奇妙なエネルギーが満ちてきた。それらは小春の傍で,クレイブの傍で,そしてティアの傍でエネルギーの集合体として形作られていった。

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a natural energy (Guardian)

a natural energyの放つアースエッセンスでダメージを受けています!

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a poison energy (Guardian)

Koharu
えっ!?

Tia the Young Dragon

Crave the Dragon
な……なんか出てきたぞ!

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a normal energy (Guardian)

a normal energyの放つ強烈なエネルギーでダメージを受けています!

Tia the Young Dragon
うわ,なにこれ。

Crave the Dragon
おいティア! これ何なんだ!

Koharu
ええぇ!?な,なにがおきたの?

慌てて冒険者たちがティアたちのもとへ駆け寄り,エネルギー集合体を消し去っていった。

Crave the Dragon
なななんだったんだ

Tia the Young Dragon
うるさいわね……初めてなんだから,何かあってもしょうがないでしょう。

Crave the Dragon
先に言えよ!

Koharu
びっくりした……。

Tia the Young Dragon
よし,で……できたわ……。

Crave the Dragon
本当かよ……何か湧いたり爆発したり……。

薬は完成したと断言するティア。しかし,気化したエネルギーがそのまま集合体として力を発揮するほど。果たして薬そのものにどれほどのエネルギーが満ちているのだろうか。あきらかに問題を生じそうな毒のエネルギーも確認されていたのだから,願わくば危険なエネルギーは全て気化し得たと信じたい。

Tia the Young Dragon
あとはこれをお母さんに飲んでもらって,どうなるか……。飲んでみてもらわないと分からないな……。

Koharu
お母さんに使ってもらうよ。ティアさんが作ったんだもん。絶対に効くよ!

Tia the Young Dragon
そう言ってもらえるとうれしいわ。これをお母さんに渡してね。

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Koharu
ありがとう、ティアさん!

Tia the Young Dragon
いえいえ、きっと効くはずだわ。それじゃあお母さんのところに戻りなさい。また遅くなると心配するんでしょう?

Koharu
*ギクッ*
そ……そうだね。でも今日はちゃんとお薬あるもん。大丈夫!

Crave the Dragon
よかったな小春ちゃん。これでお母さんが元気になるといいね。

Koharu
うんっ!

Crave the Dragon
よし,それじゃあ僕は戻るとしよう。人間と戯れないとな!

Tia the Young Dragon
ほどほどにね。というよりも,あなたが倒されるんじゃない?

Koharu
……。

Crave the Dragon
ははっ!その時はティアの薬にお世話になるよ。そうだ,ティア。

Tia the Young Dragon
なにかしら?

Crave the Dragon
今度時間ができたら,一緒にさ……。

Tia the Young Dragon
遠慮するわ。

Crave the Dragon
……返事はやいよ……もう少し聞いてくれてもいいだろう。
*しょんぼり*

Tia the Young Dragon
イヤよ!

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Koharu
ありがとう,クレイブさん!

Tia the Young Dragon
しっし

Koharu
ティアさんとクレイブさんって,仲良しだね。

Tia the Young Dragon
いえ全く……大迷惑だわ……。

Koharu
そうかなぁ? クレイブさん,ティアさんと話すの楽しそうだけど。

Tia the Young Dragon
まぁ……クレイブの事は置いといて……。小春ちゃん,大変なところに連れてきちゃってごめんね。

Koharu
おいとかれた…ううん,小春だいじょうぶだよ。ティアさんありがとう!

Tia the Young Dragon
ふふ,可愛い子ね。では,お薬も出来たし私も失礼するわ。

Koharu
ティアさん,お母さんのところにおいでよ!せっかくお薬作ってくれたんだもん,お母さんに会ってほしいよ!

Tia the Young Dragon
えっ……でも,お母さん驚かないかしら……。

Koharu
だいじょうぶ!

Koharu
この前も,みんなの連れているドラゴンをたくさん見てるし!

Tia the Young Dragon
そう……? それなら一度お会いしましょうか。

Koharu
うんっ! お母さんもきっと喜ぶよ!

冒険者たちは,禅都の街へ野生のドラゴンが入り込めば,ガードたちが過敏に反応する可能性があることを示唆する。一部にはティアを調教し,ペットとすれば街へ入ることも可能だろうとの案が提示された。

Koharu
て,テイム!?

Tia the Young Dragon
私は簡単には調教されないわよ

Koharu
今度,ティアさんをテイムできるだけのスキル上げておくよ!

Tia the Young Dragon
無理ね!それは諦めなさい!

Koharu
それじゃあお母さんのところに,いこう!

Tia the Young Dragon
うん,ついていくわ。

こうして一行は禅都への帰路に就くこととなり,新たなムーンゲートが創出された。

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そして,禅都北門の脇にある小さな池。

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療養所の西に位置するこの場所に小春の母,楓の姿があった。

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Tia the Young Dragon
お母さんはどこかしら

Kaede
ここよー,小春−!

Koharu
お母さん,ただいまーっ!

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Koharu
今日はね,ドラゴンさんを連れてきたよ!ティアさんっていうんだよ!

Kaede
はじめまして,ティアさん。母の楓と申します。

Tia the Young Dragon
いえいえ,小春ちゃんといると賑やかで楽しいですよ。

Koharu
お母さん! 実はね,ティアさんがお母さんの為にお薬作ってくれたんだよ!

Kaede
やんちゃな娘がお世話になっているようで……。! お薬? ティアさんが?

Koharu
うん! お母さんが元気になってくれるようにって,作ってくれたんだ。

Tia the Young Dragon
楓さん,実は小春ちゃんから体調が思わしくないと聞きまして,少しでも力になればと……。

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Kaede
今まで色んな治療を受けましたが,治らなくて,お薬も効くかどうか……。

Koharu
ティアさんのお薬は特製なんだよ! 絶対に効くよ!
*薬の入った瓶を渡す*

Kaede
……このピンクのような緑のような液体は一体……。

Koharu
飲んでみて!

Kaede
(見るからに苦そうだ……)
*ゴクゴク*

Tia the Young Dragon
*ドキドキ*

Koharu
*ワクワク*

Kaede
……!?
*ゴフッ*
*咳き込む*

Tia the Young Dragon
!!

Kaede
に……苦いわ……。本当に効くの?このお薬……。

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Kaede
うぅ〜ん……。

ティアの作った薬の味に苦しむそぶりを見せていた楓だったが,その身体を蒼白い光が包んでいく。

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Kaede
何だか,体が軽くなってきたような……。

Koharu
! 本当に!?

Tia the Young Dragon
効いてきたかな? もう少しゆっくり休めば、楽になると思います。

Kaede
何だか、背中に翼が生えたように,ふわふわした感じに……。ティアさん,ありがとうございます。

背中に翼…もとがドラゴンに伝わる薬であるだけに,聞き流せない比喩ではあるが,少なくとも楓の体調は以前よりも良くなったようだった。

Kaede
これで体がよくなるといいのですが……。ゆっくり休ませてもらいますね。

Tia the Young Dragon
いえいえ,お大事になさってください。

Koharu
やったー!

Kaede
ありがとう。きっと良くなるわ。ところで小春?

Koharu
なぁに,お母さん?

Kaede
今日はどこに行っていたの?遅くなってはいけないと,あれだけ注意したでしょう?

Tia the Young Dragon
…。

案の定,楓は遅くなった小春に対して厳しい口調で問い詰め始めた。

Koharu
ぅ……きょ……きょうは……。

Kaede
また危ないところに行ったんでしょう!?何度も言っているのに……!小春!今日は許しませんよ!

Koharu
ええぇ!?

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Kaede
今日は尻叩き100回よ!

Koharu
!!?い……いやだああぁぁあ!ごめんなさぁい!!

Tia the Young Dragon
まぁまぁ…

Kaede
小春待ちなさい!あなたって子は!

Koharu
ごめんなさぁい!!

慌ててその場からの逃走を図る小春とそれを全速力で追いかけていく楓に,止めようとするティアの声は届くはずもなく,二人の姿は禅都の町並に消え去っていった。

Tia the Young Dragon
あ…お母さんが一番怖いわね。ふー,すっかり元気なような……まだ薬効いてないと思うけど……。楓さんも小春ちゃんのこと心配なんだね。少しは力になれたかしら……。親子の邪魔しちゃいけないわね。それでは、私も失礼します。みなさん、今日は手伝ってくれてありがとう。この前踏み荒らした御花畑を手入れしてくれた人もありがとう。おかげで,少しづつ元にもどりつつあるわ。あとは…一応,クレイブにもお礼を言わなくちゃ……。 一応ね!それじゃ,そろそろ帰るわね。

取り残されたティアは別れを告げると,冒険者たちの頭上を悠然と旋回して去っていった。

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その後,マラス世界北西端に位置するEM リワードホール1階には,ガーディアンの所持していた薬のレシピが展示されていた。

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2012年5月31日 薬のレシピの開催について

【イベント】薬のレシピ
Posted on May 31, 2012
by Misaki

「うーん……なかなか難しいわね……」

ティアは自分の住処で薬草の調合をしていた。
しかし、元々はドラゴンの為の薬草。人間に効くのか定かではなかった。
人間のためには何が必要なのか……ティアは悩んでいた。

そこへ友達のドラゴン、クレイブがやってきた。
「やぁティア、人間のために薬作ってるんだって?」
「そうよ。でも、私ではどうすれば人間に効くのか分からないわ。」
「そういえば、この前ダスタードで人間と戯れてたら、一人変な奴が来てさ。倒しても倒してもすぐ回復するんだよ。おかげで難儀したよ。」
「あなたらしくないわね。」
「ほっといてくれ……怪しい動きをしていた奴だったんだけど、最後は逃げていったから追いかけたんだよ。」
「一体どこまで行ったの。」
「怪しい奴ばかりだったぜ、あの場所は……。」



【開催日時】 6月2日(土) 22時〜
【集合場所】 誉島の庭園付近(誉島ゲートを出て東側) 
(六分儀座標 91o 46′N, 63o 0′W)

※当日ニュジェルムEMホール 及び 誠島ゼント銀行よりイベント会場まで送迎ゲートを設置します。(ニュジェルムEMホールへは、ブリテイン第1銀行西側の直通ゲートをご利用ください)

●4月22日のイベント“不思議な花”の続編となります。
前回のイベントのダイジェストをこちらでご覧いただけます。

投稿者 Siel Dragon : 2012年06月04日 19:27