粉砕(The Shattering)とは,2006年5月19日に導入されたパブリッシュ40においてバンクボックスへ追加された書籍。
粉砕(The Shattering)
宮廷魔術師 ニスタル 著(by Nystul)
我は永きに渡り、不滅の宝珠の破片に関することを考え続けてきた。我が人生の大半をこの不思議な芸術品に費やすことによって、ようやくこの宝珠にまつわる真実を覆い隠していたベールを剥がすことができそうだ。
2つのことが明らかになった。我はまもなくこの地を去らねばならないが、我が発見を記したこの本を見つけることができたまだ見ぬ後継者に、この2つのことについての研究と調査、そして希望を託すことにする。
まず、我はその昔モンデインを打ち破った“異邦人”こそが、宝珠を破壊することができたという証拠を手にした。その異邦人は、我々の内なる世界から現れた者ではなく、我々がこの世界に繋ぎとめられている法則の糸に絡められることのない者であった。これにより、宝珠を破壊できた者と、抽象的に現実を描く宝珠自身とは、それぞれが互いにこの世界に作用することを可能にしたのだ。
異なる次元が我々の世界に影響を及ぼす可能性があるといえば、かつて恐ろしい計画を企てた者たちがいたことを思い出す。我は、いまここにそのことを記録せんとしている。
かつて、全ての命を絶やすべく恐ろしい魔法をかけようとした者がいたが、感謝すべきことに、その者と信奉者たちの試みは失敗に終わった。しかし、その魔法は我々の世界のものとは異なる摂理に基づいていたように思えてならない。
この件についてはまた別の機会に触れるとして、次に2番目の発見について記す。不滅の宝珠が破壊されたその瞬間から、砕けた破片のひとつひとつの中に、この世界とほぼ同じ世界が生成された。我が主は、この宝珠の力が未だにこのいくつかの世界に影響を及ぼしていることに多くの懸念を抱いていると打ち明けてくださった。
それぞれの破片に存在している世界に、さらに宝珠の破片の複製が存在している可能性について我は否定していたが、それは誤りであり、すでに宝珠は我々の世界の一部ではなくなっている。いまもなお、この手の中で輝く破片の中に、世界がゆっくりと回っているのが見て取れるからだ。
異邦人が宝珠を叩き割っただけでは、この不吉な力が消えてしまうことは無く、それどころか自らの破片に己の破片を散らばらせていたのである。
ここに問いが生まれる:
この繰り返しは永遠に続くのだろうか?震える我が手の中のタンポポの綿毛が、風に乗って新たな綿毛を作り出すが如く、世界は世界を作り出すのだろうか?そしてこの瞬間にも、不滅の宝珠の力は、その世界にどのように降りかかっているのだろうか?
By Nystul
A lifetime I have spent studying the mystic arts, and yet it is only lately that I have begun to uncover even the least of the Gem's secrets.
Two things have become clear to me. While both warrant further investigation I know not how much I alone will find, but I keep this notebook as a way to record my discoveries. I hope it will be saved up against the day that I must depart this world, to be of use to those who must succeed me. First, I have uncovered proof that no hand but that of a stranger who defeated Mondain, could have shattered the Gem. A stranger not only to our people, but to our entire reality, the laws and harmonies binding the Stranger were somehow different than those that act upon us. It was this differing set of qualities that allowed the Stranger to interact with the Gem on a plane closer to its own abstract reality, ultimately shattering it.
That those of differing planes can have influence and effect upon our world brings to mind a most disturbing line of thought, best left for another day... yet I feel I must note it now. There was a once madman who attempted to cast a most terrible spell, one which would bring about the cessation of all life upon our world. That he and his followers failed, thankfully, even though they had the requisite knowledge and resources... it seems as though the spell itself was designed by those not of our world.
I leave this, then, and will concentrate upon my second realization. Within each shard of the Gem of Immortality lies a perfect likeliness of the world as it was at the very moment the Gem was shattered. My liege has confessed many things to me, many disturbing things, about the influence the Gem's power still holds upon these worlds.
It is possible that within each of these shards lie copies of the shattered remains of the Gem of Immortality. I had thought this impossible, that the Gem transcended our reality and was no longer a part of our world. Yet I gaze upon the shining facets of a shard, looking at the world slowly spinning within, and it seems clear to me. The stone's sinister power was not destroyed when the Stranger shattered the stone, but instead spread throughout the shards themselves.
Thus the question begs: does this recursion go on forever? Are there worlds within worlds, scattered like dandelions on the wind, lying in my trembling hand?
And what influence does the Gem yet have upon them?
2006年05月19日
粉砕の追加(パブリッシュ40)
2006年06月08日
謎の書籍『The Shattering』
老婆イヌの予言に従って謎の書籍、『The Shattering』が発見されました。先ほど、ライキュームの図書館からその全文が届きましたので、皆さまにお知らせいたします。
『The Shattering』
我は永きに渡り、不滅の宝珠の破片に関することを考え続けてきた。我が人生の大半をこの不思議な芸術品に費やすことによって、ようやくこの宝珠にまつわる真実を覆い隠していたベールを剥がすことができそうだ。
2つのことが明らかになった。我はまもなくこの地を去らねばならないが、我が発見を記したこの本を見つけることができたまだ見ぬ後継者に、この2つのことについての研究と調査、そして希望を託すことにする。
まず、我はその昔モンデインを打ち破った“異邦人”こそが、宝珠を破壊することができたという証拠を手にした。その異邦人は、我々の内なる世界から現れた者ではなく、我々がこの世界に繋ぎとめられている法則の糸に絡められることのない者であった。これにより、宝珠を破壊できた者と、抽象的に現実を描く宝珠自身とは、それぞれが互いにこの世界に作用することを可能にしたのだ。
異なる次元が我々の世界に影響を及ぼす可能性があるといえば、かつて恐ろしい計画を企てた者たちがいたことを思い出す。我は、いまここにそのことを記録せんとしている。
かつて、全ての命を絶やすべく恐ろしい魔法をかけようとした者がいたが、感謝すべきことに、その者と信奉者たちの試みは失敗に終わった。しかし、その魔法は我々の世界のものとは異なる摂理に基づいていたように思えてならない。
この件についてはまた別の機会に触れるとして、次に2番目の発見について記す。
不滅の宝珠が破壊されたその瞬間から、砕けた破片のひとつひとつの中に、この世界とほぼ同じ世界が生成された。我が主は、この宝珠の力が未だにこのいくつかの世界に影響を及ぼしていることに多くの懸念を抱いていると打ち明けてくださった。
それぞれの破片に存在している世界に、さらに宝珠の破片の複製が存在している可能性について我は否定していたが、それは誤りであり、すでに宝珠は我々の世界の一部ではなくなっている。いまもなお、この手の中で輝く破片の中に、世界がゆっくりと回っているのが見て取れるからだ。
異邦人が宝珠を叩き割っただけでは、この不吉な力が消えてしまうことは無く、それどころか自らの破片に己の破片を散らばらせていたのである。
ここに問いが生まれる:
この繰り返しは永遠に続くのだろうか?震える我が手の中のタンポポの綿毛が、風に乗って新たな綿毛を作り出すが如く、世界は世界を作り出すのだろうか?そしてこの瞬間にも、不滅の宝珠の力は、その世界にどのように降りかかっているのだろうか?
宮廷魔術師 ニスタル