1998年03月10日
不安定な平和

不安定な平和(An Uneasy Peace)とは、1998年3月10日にタウンクライヤーにおいて公開された物語。



ムーングロウに煌めく陽光がさんさんと降り注ぐ日だった。多くの人々が地元の動物園へ足を運ぶこの機会を利用していた。周囲はユーモアと笑い声で満たされていた。地平線の彼方まで暗雲ひとつ見つけることはできず、国土を旅する人々にとって絶好の日であった。

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これは大陸各地の拠点で幾多の戦いが繰り広げられているブリタニアと同じ世界とは思えない光景だった。モンデインは過去のものとなり、悪とは何かを理解できぬ時代となっていたのだ。

嵐の如き激動の時代にあって、理屈を拠り所として行動することが、一般市民にとって如何に難事であるかわかるというものだ。我らの大半が忘却するために日々を生きている間にも、迫る脅威に立ち向かうために己の義務に向き合い行動に移す人々がいた。

賢者ハンボルト(Sage Humbolt)は、リッチのラシアリとキルニアの調査に多忙を極めていた。我らは彼の者達の盛衰に関する比較的仔細な記録を得ていたが、彼の者達が得た肉体に関しても、我らが素晴らしき国の民に対して如何なる策謀を巡らしているかも、ほとんど知識が得られていなかった。彼の者達による最初の攻勢は、それ自体は陽動であったが、装置をつくりだすために、国土に恵みをもたらすシュラインストーンの収集に成功した。賢者ハンボルトの献身的で疲れを知らぬ努力は報いられ、装置が完成する前に計画は食い止められた。素晴らしき人々の長き捜索の結果、全てのシュラインストーンを奪還できたと我らは信じているが、リッチたちは未だ行方を眩ましたままである。強大なる邪悪が国土に放たれたままとなっている状況で、賢者ハンボルトは肉体再生の秘密を解き明かし、我らに解決手段を提供することを自らの責務と位置づけた。

私は本稿にあたって尊敬する賢者ハンボルトと面談する機会を得た。賢者ハンボルトにとっての時間とは、彼の研究に必要となる秘薬や結晶と同じく稀少な必需品であるが、リッチの状況について我らへ情報を提供することを適当と考えたのであろう。

"我が手は、彼の者達の恐るべき力を洞察するがために、まさしくエーテルそのものの本質を熟考した。ああ、彼の者達を食い止めるためには、必要となる幾つかのものを集めねばならぬと我は悟った。我はそれが何であるかをこのような公共紙面で明かすことはできないが、リッチの危険性を発信するには本当に素晴らしいものだ。恐れは積極的なる行動を妨げるものだ。しかし、リッチらが再びブリタニアの如何なるものにさえも脅かす前に、ブリタニアの人々へ我の収集への助力を求めたい。"

シュラインストーンの腐敗について方法を把握しているか伺ったところ、ハンボルトは次のように応じた。

"これは我を以て解き明かせぬ不可解な謎のひとつだ。この国で確認している強力な魔力のひとつであり、活力ある石の性質を変容させ、制御することのできる秘儀である。モンデインの脳が公開展示されていなければ、モンデインもまた我々の前に立ち塞がったやもしれない。"

UP
"リッチらに協力者はいるだろうか、ゾグ カバルと手を組んでいるのだろうか。"

ハンボルト
"我は関与していないと考えている。ゾグ カバルの構成員は生きた人間の男女だ。リッチらは生きる者らに対する嫌悪感が非常に強く、如何なる共謀もほぼ不可能に思える。我は偶発的に連鎖した軍勢による攻勢であったと信じている。"

その後、ハンボルトはロードブリティッシュの同席による状況説明を行った。

国が混乱しているもうひとつの要因は、過日のトリンシックにおけるロード・ジュオナールによる活動で加速した。トリンシックの戦士ギルドに所属する老トレーナー、ハーサムに対する恥ずべき暗殺の折にゾグ カバルがその存在を明らかにし、衛兵長代理のクロウワースによってオーク戦争以来となる大規模捜索が命じられた。ロード・ジュオナールがパラディンギルドから宝物と軍備を何処かへ横流ししていたことが、フィンス・デスリンによって発覚した。ゾグ カバルのトリンシックにおける影響力を排除する任務の折、ロード・ジュオナールは査問を受けた。

ロード・ジュオナールはゾグ カバルとの関係を否定したが、横領の証拠は明白であった。彼はただちにトリンシックから姿を消し、現れたときには邪悪な軍勢をともなっていた。ジュオナールが霊性の神殿で姿を消し、貴重なアーティファクトを捧げていた修道士の一団を殺害し、このアーティファクトを奪って荒野へ去る間、軍勢はトリンシックへ侵攻を続けた。

そして、クロウワースは姿を消した。魂をすり減らし取り乱したことのわかる手記のみが残されていた。彼はゾグ カバルの捜索を行い、すぐに戻ると書き残していたが、それ以後彼を見ることはなかった。我らには彼の無事な帰還を祈るよりほかない。

クロウワースの後任としてフィンス・デスリンが就任した。ロード・ジュオナールの裏切り行為を暴いた人物である。守護者の肩書きとともに、彼の両肩に重責がかかった。そしてより多くの悲劇が、この素晴らしき街に襲い掛かることとなる。輸送隊を担当していたフィンスの妻は惨殺され、ジュオナールの軍勢によって輸送隊の積載物は強奪された。フィンスは率いる衛兵団を各地の神殿防衛のために派遣したが、これはジュオナール勢力の陽動作戦であり、輸送隊こそが本命だったのだ。

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フィンスはこのとき、僅かばかりも刻を無駄に費やすことはなかった。将来の攻勢に対処すべく不測の事態を想定しようと、フィンスは日夜最高の顧問らと会合していた。信頼する書生によれば、新たな攻勢はすぐにでも開始されるとのことだった。私は最近、この人物と会談する機会を得て次のような言及を得た。

UP
奥方を失うという悲劇に襲われたが、この地で今なお続く危機に対してどのように行動されるおつもりだろうか。

フィンス
その犠牲、ジュオナールの傭兵団による妻の死は、夜を徹した立案と調査を通じて我が身を焼く火の粉であった。我々の直面する課題に対して質問してほしい。これ以上、妻について言及することはできない。徳が彼女を導いてくれることだろう。

UP
わかりました。それでは、ジュオナールのゾグ カバルとの関係性についてどのようにお考えだろうか。ゾグカバルがブリタニアの秩序社会に対する全面攻勢に出るための物資と資金をジュオナールが提供したとお考えだろうか。

フィンス
直近の戦役が勃発する以前に質問を受けていれば、我が応えは明瞭であったことだろう。だが、ジュオナールからの書簡を受け取り彼の行動の真意を知るに至り、我はジュオナールがゾグカバルに組しているとは信じ難い。

UP
しかし、ジュオナールが着服した資金はゾグカバルに送られたと証言したのは、あなた自身ではないだろうか。

フィンス
ひと月前に我の言及したことは、もはや関係ない。ジュオナールの信条は明白だ。ジュオナールは彼自身の創造する秩序を模索しており、彼の支配する世界を模索しており、ブリタニアそのものでなく彼を裏切った貴族階級の破壊と破滅を望んでいる。ゾグカバルが望むは混沌であり、彼らは異なる道を選択すると我は確信している。

UP
あなたが考えを改めたのは、先の戦役でジュオナールが残した書簡に関係があるのだろうか。その書簡はあなたに宛てたものであったようだ。

フィンス
そのとおりだ。我がジュオナールを告発したからだろう。それ以外に理由は考えられぬ。ジュオナールは貴族階級に対する復讐を目論んでいるが、それ以上に我に対する復讐を目論んでいるということだ。これ以上の言及はできない。佳き日とならんことを。

フィンスは統制の取れた一団をともなってもうひとつの会議を行っている集団へと戻っていった。トリンシックはこのひっそりとした時間を慌ただしく過ぎていった。しかし、ミノックとベスパーでは状況は全く異なった。大陸北部で領有権を主張したトロルに対して大勝利を得て、さらには指揮官の一翼であるスプラットの討伐さえ達していた。彼らは国土が解放され一般市民が郊外を探索できるようになったと感じている。他の事件にともなって保安の維持に疑問は残されているし、兄を殺害されたサンクによる報復も予想されている。サンクの首には報奨金がかけられ、生きて捕獲できた場合には更なる高額が約束された。

トロルは謎の存在からの指示によって活動していると推察されている。その存在はスプラットへ僅かながら読み書きさえ教授したようだ。これはスプラットの骸から回収された手記から明らかとなった。このような組織化のための教育水準は、従前のトロル社会に対して考えられていなかった。もちろん、排水溝に棲まう生物らを社会と呼び得ることがあれば、である。この存在は、手記のうえで LM と記載されているとだけ明らかとなっているが、何者かを突き止めるためにはサンクを生かしたまま捕獲しなければならない。しかし、サンクの居場所は未だ謎に包まれている。トロルの攻勢は極めて稀な頻度であり、辺境で勢力拡大していっているかは疑わしく、攻勢は当分の期間実行されないだろう。あるいは、スプラットの戦死が残された指揮官とその軍勢に失意に暮れさせているのであれば、相当な期間を要しても過日のような規模で新たな攻勢に出ることはできないだろう。

紛争問題は、それが休戦状態であっても我らを大いに苦悩させる。軍勢を率いた邪悪は勢力を再編成しているに違いない。諸君らは新たな攻勢に立ち向かう覚悟ができていようか。私は諸君らが如何なる大規模攻勢にも立ち向かう覚悟を固めているのだと期待している。そして我らが愛して止まぬこの国が奴らによって致命的な損害を被るより先に、熱烈なる人々の助勢を得て奴らの邪悪なる軍勢を打ち倒さなければならないのだ。

従前どおり、最新情報は誠実なるUPスタッフによって報告されることだろう。

An Uneasy Peace

Rylthae Penston
March 9, 1998

‘Twas a bright and sunny day in Moonglow and many took the opportunity to visit the resplendent menagerie of creatures housed in the local Zoo. All around were filled with good humor and laughter. With nary a storm cloud to be seen for miles on the horizon, this was the perfect day for an enjoyable trip to the wonders of the land.

This hardly seemed the same Britannia that has fought numerous attacks on the various landmarks around the mainland. A gathering of evil that was thought impossible since the passing of Mondain have struck and then withdrawn.

Gaining a foothold of logic in these tumultuous times has proved too large a task for any one citizen. Whilst most of us go about our daily affairs trying our best to forget, there are a number of individuals whose sole duty is to make sense and bring about a plan of action for dealing with these threats.

Sage Humbolt has been busy investigating the Liches Lathiari and Kyrnia. Although we have a relatively detailed biography of their rise and fall, we know next to nothing about their latest incarnation, and what plans they have for the citizens of our fine land. Their first attack, a diversionary effort, was successful in gathering the tools they needed to bring about a device capable of raining a finely ground shrine stone upon the land. Thanks to the selfless and tireless efforts of Sage Humbolt, this plan was stopped before it could be enacted. Although we believe all of the Shrine stone was interred after a lengthy search by the fine citizens, the Liches themselves are still at large. With such powerful evil loose in the land, the goodly Humbolt has made it his duty to uncover the secret of their regenerative powers and provide a solution as to how we may stop them.

I had the pleasure of interviewing the honorable Sage for this article. Although his time is a commodity as rare as the very reagents and crystals he plies his trade upon, he saw fit to offer us these words about the Liche situation:

“Mine hand hath turned the very substance of the ether in order to gain insight as to their dread powers. Alas, I have discovered that in order to stop these fiends a number of components are necessary for me to gather. I would rather my lips not speak of these items in such a public forum, for the danger of the Liches seeing this writing is great indeed. Lest fear freeze ye from positive action, however, allow me to assert that I shall be ready to call upon the people of Britannia to help me gather these items before the Liches manage to once again threaten the smallest part of Britannia.”

When asked if he knew about the process that allowed for the corruption of the shrine stone; he had this to say, “‘Tis the one mystery I have not been able to unravel. A magical force as strong as any this land has seen…one capable of magicks of such celestial control that are able to transmute the nature of living stone. I would think Mondain walked among us, if his brain hadn’t been on public display.”

UP: Do the Liches have a collaborator? Are they aligned with the Zog Cabal?

Humbolt: “I think not. The Zog Cabal is a group of living men and women. The Liches have an aversion to life so strong that any collusion with more than one mortal would be next to impossible. Nay, I believe that the forces, which have decided to strike so suddenly, are linked differently…”

With that, Sage Humbolt went into his briefing with Lord British.

Another aspect of the land’s disquiet was fostered by the actions of one Lord Juo’Nar, formerly of Trinsic. When the Zog Cabal revealed themselves in their shameful assassination of Hartham (the late Trainer of the Trinsic Fighter’s Guild) then acting captain of the Guard CrawWorth ordered an investigation the likes of which hath not been seen since the Orc Wars. It was discovered, by Finth Desryn, that Lord Juo’Nar had been redirecting the treasury and armaments of the Paladin’s Guild to unknown sources. On a mission to route out any influence the Zog Cabal may have on the city, Lord Juo’Nar was immediately questioned.

Although Lord Juo’Nar denied being involved with the Zog Cabal, the evidence of his theft was above debate. He quickly fled from the city and returned with a mercenary force. This force attacked the city ruthlessly whilst Juo’Nar secreted himself to the shrine of Spirituality, killing a band of monks who were consecrating a valuable artifact. Having stolen this artifact he fled into the wilds, seemingly without a trace.

CrawWorth then disappeared, leaving only a note that hinted at the distraught temper that had consumed his soul. He claimed to be out to hunt the Zog Cabal, and that he would return soon. No sign has been seen of him since. We can only pray for his safe return.

Installed in CrawWorth’s place was Finth Desryn, the man responsible for the discovery of Juo’Nar’s treachery. Finth took a large burden upon his shoulders when he assumed the title of protector, and more tragedy was to strike this proud city. His wife, in charge of a caravan would be horribly murdered, the caravan’s goods stolen by Juo’Nar’s forces. His guards had been dispatched to protect the shrines of the land, but alas, this was another act of misdirection on the part of Juo’Nar. The caravan had always been the intended target.

Finth has not taken this time of piece as an excuse to sit idly by. He has been meeting with his top advisors day and night to outline contingencies to deal with future aggressions. Aggressions he assured this scribe were soon to come. Here are some of his words, taken from an interview I recently had with this figure:

UP: With the tragic loss of your wife, how have you been handling the continual crises, which seem to befall this region?

Finth: The loss…My wife’s death, at the hired hands of Juo’Nar’s mercenaries, is the one spark which has fired me through these sleepless nights of planning and investigation. I would rather our thoughts and words stay focused on those problems and not return to my wife, may the virtues keep her.

UP: Agreed. How do you feel about Juo’Nar’s involvement with the Zog Cabal? Has he been providing them with the weaponry and funds they need for an all out assault against the bastions of order in Britannian society?

Finth: If thou hath asked me such a question before the last attack, mine answer would surely have been clear. However, after the message I received and the nature of his actions I do not believe he is involved with the Zog Cabal.

UP: But it was your testimony that the funds he redirected were being sent to Cabal contacts…

Finth: What I said a month ago is of no concern now. The facts as they stand are these: he seeks an order of his own creation, he seeks a world under his control. He seeks the destruction and ruin of, not Britannia, but the nobles who have cast him out. The Cabal wishes chaos, they will follow a different course, I believe.

UP: Does your change in opinion have anything to do with the message that Juo’Nar left behind after the previous attack? It seemed to be aimed at you.

Finth: Of course, I exposed him. What other reason could there be for that? He seeks revenge against the noble class, but above that he seeks revenge against me. I have no further comment. Good Day.

Finth then returned to another battery of meetings with persons of all disciplines. Trinsic rests uneasily during these quiet times. However, in Minoc and Vesper, the attitude is much different. Having won a major victory against the Trolls who began to assert claims over the north lands, and even slaying one of the leaders (G’Splat), they feel that they have made their lands relatively free for the common citizen to explore. Doubts remain about the stability of that safety with the other events, and a reprisal by G’Thunk for the death of his brother is anticipated. A bounty has been put on the head of G’Thunk, with a larger reward being offered if the fiend can be returned alive.

The Trolls seemed to be executing their actions under the direction of a mysterious figure. This figure even managed to teach G’Splat how to read and write (as journals on his corpse showed) this level of education allowed for an organization never before seem in Troll society (if such gutter creatures can be referred to as having a society at all). This figure was revealed in the journals only as LM. G’Thunk must be found alive in order to gain the knowledge of whom this figure is. Although his location still remains a mystery, Troll attacks have indeed been rare. It is wondered if they are gathering their forces in some remote corner, waiting for the moment to strike. Or, if G’Splats death so demoralized both the remaining leader and his followers that such a recurrence of violence is not likely to happen on such a scale for quite some time.

Troubling questions indeed do plague us during these times of seeming inactivity. The evil, which has struck with such force, seems to be re-gathering its strength. Will you be prepared for the next attack? I hope that we all shall be prepared for the onslaught, and with the help of such dedicated citizens we should be able to best these fiendish forces before they can render any permanent damage to the lands we hold so dear.

As always expect all of the latest news to be reported by your faithful UP staff.

投稿者 Siel Dragon : 1998年03月10日 16:38