2012年06月26日
ジールの活動報告書

ジールの活動報告書(Siel's Report)とは、2012年6月21日にYamatoで開催されたイベント"第9回銀蛇自警団出動指令 -小さな使者と名誉の騎士-"の活動報告書。フェルッカ世界トリンシックでサー・デュプレとシェリーから得た情報をもとに考察した第1巻、イルシェナー世界ヴァーローレグへ調査へ赴いて得た情報をもとに考察した第2巻の二冊構成。6月28日にEMリワードホールで展示された。

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第9回銀蛇自警団出動指令-小さな使者と名誉の騎士-報告書
Siel 著

素晴らしきソーサリアは、 いまや各地で不安と混乱に飲まれようとしている。 だが、 恐怖と向き合う勇気を自覚する者がどれほどいることだろうか。

自覚なき恐怖は人々に退廃の病魔を撒く使者となる。

今宵、 我ら銀蛇自警団員の会偶した使者によりて撒かれるは希望か退廃か…。

皮肉な事にフェルッカ世界は"安定"しているようにみえた。 街路を削るが如くに疾駆する軍馬が、 罵声とともに脇を抜けていく日常。

それを、安定と表現せざるを得ないことに顔を歪めつつ、 我々自警団フェルッカ調査支隊は "The Keg and Anchor"で合流を図った。

店員の多くは奧にある部屋に下がり、 女給仕が声を張って応対していた。 この酒場を団員の合流の場と指定したことで店員が気を利かせたのではなかろう。 我らとは別の客に配慮したに違いない。 その客は、 我らより遅れて酒場の扉を開いた。 それは王より騎士爵を下賜された偉大なる指揮官、 サーデュプレその人だった。

彼は独りでなくちょまちょまと後ろから続く小さな生物もあった。 ラット、ではなくねずみのシェリーだ。 団員らの軽口に賑わっていた酒場は、 きゅいと引き締まった。

酒を片手に語るのがデュプレの流儀なのだろう。 尤も、 公共の酒場にて話すことにしたのは、 デュプレ自身、相手から重大事を切り出されたくはないとの想いもあったのかも知れない。 我らから注がれる視線を気にする素振りも見せずに、騎士とねずみは会談を始めた。

そこで我らは意外な人物の名を耳にする事となり、 驚愕したのだ。

サーファントム
失踪に関する
事前調査報告
at Felucca

1. 専門調査団の派遣とその壊滅について

ヴァーローレグ陥落の報を受け、 団長は専門の調査団を組織していた。 我らの中で編成に関与した団員はいないことから高度な秘匿性が伺えた。

団員らは個々に優れた専門技能を有しているが、 調査団で求められた専門知識あるいは技巧は極めて特殊なものと推察される。

この調査団が、 僅か七日程で任務遂行を断念したという。

調査団とは、 戦闘を主目的とする部隊ではないが、 実質には強襲偵察を担う性質を有している。 よって高い機動性と隠密性は必須であっただろうし、 相応の戦闘火力も有していたはずだ。 それが未帰還者1名とはいえ帰還した者全てが精神に異常をきたしていたとのことだ。 つまりは、 全滅を意味する。 そして、 唯一の未帰還者こそ我らの偉大なる団長、" サー・ファントム "であった。

シェリーからその名が挙げられると、 悲鳴に似た呻き声が団員らの口から漏れた。 だが、 団員らは努めて冷静を装い、 全裸になっても生き残っているのだと笑った。

今現在までに、 専門調査団に関する公表は、 まったく行われていない。

先述のとおり、我らですらその編成の事実を知らぬことであった。

シェリーからロイヤルガード上層部が情報統制を行っているとの言及があった事から、 調査団の編成は団長の独断でなくロイヤルガードの意向が反映していたと推察できる。

あたかもロイヤルガード上層部の捨て駒ではないか。

だが、 我らは怒りを抑え、 団長の無事な救出こそを第一義とせねばならない。

2. ブラックロックとゴーレムについて

団長は行方途絶えるその直前までブラックロックとゴーレムに関する調査を推し進めていた。

ならば、 専門調査団の派遣もまたブラックロックに関わるものであった可能性は高い。

サーデュプレもその可能性を示唆し、ゴーレムの専門家を我々に問うた。

真っ先に挙がる名は師スーテックだ。

ブラックロックの研究に明るく数多くの機械生命体を生み出した師だが、 アビス調査支隊から得た報告を聞く限り協力要請は困難であろう。

ならばと私は、 とある細工師の名を挙げた。

細工師クレットは、 ブリタニアで最も早くゴーレム構造に着目し研究した人物であり、 王室の覚えも佳い。

世界情勢に疎く我らが団長の名すら知らなかったサーデュプレも彼の名は知っているを認めていた。

シェリーからの報告にも関連を伺わせる内容があった。

帰還者から得た言葉に" Por-Xel-Agra-Lem "という言い回しがあったというのだ。

私はガーゴイル語であり、ゴーレムを意味しているのだと判った。

"Por"とは動くを意味し、"Xel"とは鉄を意味する。 "Agra"とは戦う事を意味し、 "Lem"とは者あるいは物を意味する接尾詞である事から、しばしば" Agra-Lem "で戦士を指す。

したがって、
" 動く鉄の戦士 "

すなわちブリタニアでゴーレムと呼ぶ存在と同義なのだ。

3. テルマーに蔓延する病魔について

テルマーで感染症が発生し、 北端の漁村へ隔離されているとシェリーから得た。

これは既に団員らの調査で凄惨な状況が事実確認されている。

ヴァーローレグ壊滅と時期を同じく発生が確認されていることから、 敗残の移民団とともに持ち込まれたと推察するが妥当だ。

これが偶発の一致であるのか邪悪な意思が関与しているのかは突き止めるに至ってはいない。 だが、 偶然とは到底思えないのだ。

4. 爵位の売買について

爵位とは王室の権威を象徴する制度であるが、 それを揺るがす事態にシェリーは警笛を鳴らした。

爵位は王室によって下賜してこそ、 権威を備えるものである。

権威すらなき称号が氾濫すれば、 それは王室の権威失墜につながるのだ。

しかし、 暴動の発生していた街で、 時期を同じく爵位の売買が確認されている事から王室を貶めんとする組織的な陰謀説を否定できないでいる。

5. 連結機構ネクサスについて

デュプレとシェリーは、 エクソダス復活の鍵であったと結論づけた。

そして、 その再起動に人々を駆り立てた者がいたことも明らかである。

再起動させ続けた末に起こることを知っていたと考えるべきだ。

我らは奴らの正体を暴かねばならない。

6. 砂漠地帯の混乱について

ヴァーローレグ近郊での発掘作業は、 当初はガーゴイルに商機と受け止められた。

しかし、 機械生命体の侵攻が激化すれば街唯一の出口の封鎖に等しい行為だった。 不自然にも、 発掘は街の出入口周辺のみ行われていた。

失われた宝を利用し人々を惑わしたのだ。

人もガーゴイルも、 ミーアもジュカも巻き込んだ巨大名陰謀があることを、 私は確信している。

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第9回銀蛇自警団出動指令-小さな使者と名誉の騎士-報告書
Siel 著

サーファントム
の失踪に対する
実地活動報告
at Illshenar

ヴァーローレグ防衛戦役は、 大敗と記すほかない。

我らが関与する余地なく街が放棄された事実は痛恨事である。

我らは説得に応じたサーデュプレに付き従い、 旧ヴァーローレグへと強襲偵察へと赴いた。

我らは名誉のムーンゲートにてサーデュプレと再度合流のうえ行軍を開始した。

全速力でドラゴンエッグを北から迂回し、 砂漠地帯へ抜けようとしたが、 予期せぬ事態に前方から次々と団員らの隊列が乱れた。

我らの動きを敏感に察知した機械生命体が砂漠地帯とドラゴンエッグ近郊の境界となる門を越え、 強襲偵察隊の前面に喰らいついたのだ。

それは、 黒光りしたミニオンロードの大群だった。

その圧力に我らの脚は止められ、 砂漠へ入ることできぬまま迎撃の為に展開した。

進軍していた我らが防衛陣形を敷く奇妙な対峙となったが、 砂漠地帯へ引き込まれた上で包囲されていれば壊滅の可能性もあったほどの猛攻であった。

パラゴンの突破力で一時防衛線に綻びは出たが後方支援部隊の壊滅も免れ、 徐々に戦線を押し上げる事に成功していった。

やがて敵の圧力にも蔭りが出る。

未だ版図でない領域に展開する戦力には限界があったか。

戦線が砂漠地帯へ押し上げられた時にはもはや機械生命体の増援も散発的なものに限られ次々と撃破されていった。

旧ヴァーローレグの入口にて、 遂に我らは団長の足取りを得た。 団長の名が記されたマントと鞄を 発見したのだ。

他の衣類は確認できなかったが、 団長が身軽になったことは、 疑いようがない。

デュプレは、 団長が旧市街地へ踏み込んだのだと推察した。

我らも追って団長を救いたい。

だが、挑むに過小な戦力であった。

ああ、 ヴァーローレグを飲み込んだ異形。

壁という壁、柱という柱が白亜の趣を失い、 不気味に蠢いている。

これこそエクソダスの侵蝕であり、 エクソダスそのものなのだ。

いまや街そのものがエクソダスに侵蝕されその一部として蠢いている。

街を敵とし、 戦う程の戦力を結集せねばならない。

我らは決戦の号令をデュプレに託し、 撤収せざるを得なかった。

必ずや、 デュプレが更なる手掛かりを得て我らに決戦の機会を与えてくれる事だろう。

7. 観測された機械生命体の汚染に関する考察

ブラックロックは特定の比率で特殊な合金になると言われている。

ブラックロックゴーレムが当初観測されたときにはブラックロックを主たる構成物として生成されたもの、 と考えていた。

だが、 師スーテックの実験に立ち会い、 その推論を改めざるを得なかった。

師の実験で、 材料にブラックロックは存在しなかったのだ。

すなわち、ブラックロックは、 生物のみならず無機物にまでその在り様を変える力を備えているのだと考え得る。

これは最早、 汚染を越えた融合と言い得る力だ。

さらに今回、 我々はブラックロックの影響を受けたと推定される機械生命体の迎撃を受けた。

これらが生成段階でブラックロックの影響を受けた部品を備えた個体なのか、 生成後外的要因で汚染した個体なのかは、 調査に行き詰まっている。

後者であれば、 怖ろしいことだ。

ある朝、愛用のマグカップが汚染されていることだって有り得るのだから。

8. シロンの移送
エクソダスの関与について考察

ヴァーローレグ防衛戦役における、 機械生命体の攻勢は苛烈であったと考え得る。

防衛線は僅かな期間で壊走し、 市民への避難誘導も間に合わなかったのだろう。

街の壊滅後も、 取り残された市民の姿があることは、 自警団の調査で明らかとなっていた。

その中には、ジュカのシロンが、 含まれていた。

しかし、 ヴァーローレグ壊滅から数日を経て、 シロンが無事であったことが明らかとなる。

逃げ遅れた市民が数多くいるなかでシロンだのみ解放されていたのだ。

これはジュカを影で操っている存在こそエクソダスであることを裏付けており、 彼らは未だにエクソダスに利用価値があるとみなされているのだ。

ジュカどもに問えば、 それは大いなるグレートマザーの加護とでも言うのだろうか。

9. デュプレとアニカの関係についての考察

下世話な話かもしれないが、 サーデュプレを語るに酒と女は切り離せないものだ。

フェルッカトリンシックの酒場にてデュプレを出迎えた女性給仕のアニカが、 デュプレと知己であることは二人の会話から、 容易に読み取れた。

しかし、 トリンシックはかつてフェルッカ世界最大激戦区のひとつであり生き残った市民の多くは新世界移住の列に加わったと推察していた。 であれば、 デュプレと古馴染みの給仕たちはトランメル世界で新たな生計を立てているはずだ。

アニカとは、 何者であろうか。

新世界移住の列に加わらず、 この酒場を守り通した女傑だろうか、 あるいは再建後に雇われ新たにデュプレのお気に入りとなった女性だろうか。

まさか、 この日の為にわざわざフェルッカへ戻り、 デュプレのためだけに給仕していたのだろうか。

そうであれば、 他の給仕らが奧の小部屋へ押し込まれていた事に筋が通ってしまうではないか。

実に実に怖ろしき事である。

*あとの文章は慌てて書き殴られたらしく、 要領を得ない*

ああ、 地が揺れる。

ずずん、ずずんと。

ああ、 意識が明滅する、 躰が硬直する。

これは、恐怖ゆえか。

ああ、 そうか、

私は理解したのだ。

団長…これが……

エクソダスエクソダス
エクソダスエクソダス
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投稿者 Siel Dragon : 2012年06月26日 15:18