2012年06月26日
エクソダスに関する報告書

エクソダスに関する報告書(The Report "Exodus")とは、2012年6月23日に開催されたライブイベント覚醒 - 第五章の活動報告書。2012年6月21日にYamatoで開催されたイベント"第9回銀蛇自警団出動指令 -小さな使者と名誉の騎士-"の後記として記されている。6月28日にEMリワードホールで展示された。

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エクソダスに関する報告書
Siel 著

第9回銀蛇自警団出動指令 後記

この手記は、 第二次エクソダス戦役へ従軍したのちに書き記したものである。

結論から言おう。

我らは、 団長あるいは団長の痕跡を確認できなかった。

我ら銀蛇自警団を含む大規模連合軍は確かに多大な戦果をもたらした。 しかし、 自警団が維持されるためには、 いまだ団長の存在が必要なのだ。

人々が歓喜に湧く中で、 我らは肩を落とし団長の無事を改めて祈ったのだ。

第二次
エクソダス戦役
活動報告書
at Illshenar

歴史上二度目となる第二次エクソダス戦役は歴史に残るであろう大規模な連合部隊の編成で実行された。

デュプレキャンプへ集結した大隊規模に及ぶ軍勢は、 デュプレ号令の下イルシェナー世界中央区画にあるオアシスへ進出のうえ南下しエクソダス要塞へ突撃した。

この戦役最初の戦闘が、 この要塞攻略戦となる。 大規模攻勢をいち早く察知し要塞で迎え撃ったのは、 魔術師率いるゴーレム部隊。 要塞の入口を魔法の石壁で封じて抗戦の構えを見せた。

しかしデュプレの下に集結した人員は圧倒的だった。 要塞を瞬く間に包囲し、 次々と要塞に取り付いていった。

要塞守備のため展開されたゴーレム部隊も、 高出力で応戦したが、 多く見積もっても小隊規模でしかなく、 わずかな抵抗の末に要塞は組織的抵抗戦力を失った。

封印の解除によって石壁は爆散し、 我らは広大な要塞地下区画へ進軍を果たした。

デュプレが事前入手していた情報をもとに西へ進路を取ると、 回廊を幾重にも石壁で封じたミニオンロードの軍勢が待ち構えた。

だが、 防戦に徹するしかない機械生命体は最早脅威ではない。

遅滞戦術を行使するでもない徹底抗戦は次々と我らの前に包囲殲滅されていった。

防衛線を突破し西端にある制御室へ我らは辿り着いた。 そこで、 我らは如何にも急造で塞いだと思しき金属塊を確認した。 デュプレが金属塊を剥がすと、 その下には穴が隠蔽されていた。

ヴァーローレグ侵入の別経路は、 やはり存在していたのだ。

進軍した連合部隊は旧市街西端で全部隊の合流を待ち、 いまやエクソダスによる版図と化した旧ヴ市街全域の強襲捜索に移行した。

釈然としないが機械生命体はなおも壁を張って抵抗を見せた。

しかも、 戦力を分散配置した時間稼ぎであった。

連合部隊に対し停止を強いたのは確かだ。

だがそこに生まれた時間が如何なる意味を持ったのか、 何か重要なものを外部へ運び出すための猶予を得る為だったのか。

まもなく連合部隊は市街を東西に貫通、 両翼へ展開した部隊も小要塞化して抵抗した機械生命体勢力を殲滅した。 すべては順調に推移しているかに思えたのだ。

喧噪のなかで、 地を揺らす振動が紛れ、 聞こえた。 それは、 ずずうんずずうんと鼓膜に響く。

我らの眼前に現れたのは見上げるほど巨大な化物だった。

"エクソダス"

それは、 地上の生物と思えぬ姿形だった。

三本の脚が巨躯を支え、 身体を覆うひと繋ぎの体皮もない。

海底の化物がまさに這い上がってきたかのような身の毛よだつ姿だった。

我らが見上げているのは生物としての尊厳なき機械の化物だ。

三脚であれば、 脚をひとつ失えば自重を支えることもできないだろう。 明らかにその造形は、 欠陥のように思えた。

だが、殺到した圧倒的物量を前に、 その巨躯は浮いたのだ。

鈍重に見えた巨躯は宙を浮遊して殺到する部隊をいなし、 弱点に見えた脚ひとつひとつは人々を襲う鋭利な鎌と化した。

更に変容した旧市街の大地は、 我らから魂そのものを奪うように生命力を、 体力を、 精神力を奪い去っていった。

エクソダスの脚に張り付き剣を振るう者らは当然のこと、 中距離支援を行う部隊までも飲み込まれていく。

我らはエクソダスの腹の中で戦っているかと錯覚した。

それでも物質であるゆえの限界もある。

膠着状態となれば、 物量に勝る勢力がじりじりと優勢となるのだ。

連合部隊は、 徐々にエクソダスを追い詰め削り、 その末には破壊した。

大勝利はデュプレによって名誉の神殿に奉納された。

だが、 名誉の神殿におけるムーンゲートの爆発事件はエクソダス戦役の勝利宣言間際に起きたのだ。

"時は来たれり"

名誉の神殿で、 勝利を宣言するデュプレと我らを光が包み込み、 視界が戻るとデュプレの背後に輝いていたムーンゲートは様相を一変させていた。

不安定に光を放出し裂け目ができ、 最早転移能を失っていたのだ。

イルシェナーの異変はエクソダスの破壊で留まることなく、 世界のつながりにまで影響を及ぼしていくことを暗示したのだろうか。

我ら銀蛇自警団には未だ剣を壁に飾る日は来ない。

汝が行く先に暖かなエーテルの巡りあらんことを。

[ 巻末付録 ]
ずばり、 黒幕は誰だと思いますか。

"フォロワーフォロワー"
by 無知なオーク

"デュプレが怪しいね。事前調査の折に誘惑されて、 操られてるに違いない。 彼の経歴を考慮すれば当然の結論さ。 だってさ彼は敵に操られることに、 慣れてるじゃないか。
どうせムーンゲートの爆発も、 ぼくらを巻き込んで全滅させようとしたんだよ。 "
by 熱狂的な混沌主義者のオーク

" 黒幕はシェリーです。 大災厄が降り注ぐとき必ず姿を現しては我らを巻き込んでいくじゃないですか。
それに、 私は見たんです。 先の強襲偵察の折にシェリーが姿を現せばミニオンロードが現れ、 シェリーが通り過ぎるとミニオンロードが脇に退くように消えていくのを。 シェリーこそが機械生命体の指揮官に違い有りません。 "
by 自称ただのオーク

" 黒幕はフードを深く被るローブ姿で現れると歴史が証明してるのさ。 この戦役で我らは見たじゃないか。
デュプレを背に立つローブ姿の男を。 名前は確か、 カナタだったかな。 あれが黒幕の一員に間違いない。 "
by うわ言を呟くオーク

The Report "Exodus" II へ続く

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エクソダスに関する報告書
Siel 著

1. デュプレキャンプの所在に関する考察

司令官の名を用いてデュプレキャンプ、 と呼ぶ野営地がある。

かつての一大戦地として語り継がれる街フェルッカトリンシックの郊外に設営された最前線だ。

だが、今回の戦役に先だって、 トランメルでもデュプレは野営地を張って、 トリンシック郊外に部隊の集結を図った。

確かに大規模部隊を運用するには拠点の設営は必要だろう。

しかし、 トリンシック郊外に設営したのは如何なる理由か。

フェルッカのそれに比べれば真新しいがキャンプ様式は変わらぬものだった。 集結する軍の戦意高揚を睨んでとしか思えぬが、 そうであれば、 治安の悪いフェルッカを避けただけに過ぎぬだろう。

わざわざ権威を示すためだけに設営したのだとすれば、 王室の権威失墜に焦る思惑が伝わってくる。

2. もろい壁に関する考察

ヴァーローレグで我らを阻んだ壁は、 戦士の剣でも魔術師の炎でも破壊可能な極めて脆弱なものだった。

これは地下区画にて我らを阻んだ魔法の石壁に比べてお粗末と言わざるを得ない。

だが、 その構成材料が小麦であったことには驚嘆してよい。

我らにも堅いバケットを作る程度の技はあるが、 これ程の強度へ高める技術は凄まじいとも言えるだろう。

3. 侵蝕の速度と範囲への考察

旧ヴァーローレグは僅かな刻でエクソダスの侵蝕を許した。

エクソダスはそれ程の侵蝕速度を有した世界の異物ということだ。

今までに、 エクソダスの侵蝕は観測されてこなかった。

だが、エクソダス版図の大半は地下区画に広がっていることを、 忘却してはならない。

既に広大な地下世界に侵蝕が進んでいると考えられないか。

既に我らの立つ地表の下にはエクソダスがあるやも知れない。

イルシェナー世界のそれ自体がエクソダスと化し蠢く刻を待っているかもしれない。

4. 団長の行方に関する考察

我らが銀蛇自警団のヴァーローレグ随行は本来団長捜索のためであった。 しかし市街全域を一時占拠するに至ったにも係わらず団長の痕跡はなかった。

そこにいたのは機械生命体とエクソダスの巨躯のみだったのだ。

我らの通って来た穴は一方通行であったしほかに行き場はない。

いや、かつての市民らは無残にも生きながら土中に埋葬されていたが、 そこでも団長は確認できなかった。

団長は、 自力で脱出できたのだろうか。

あるいは我らの剣が魔法が貫いた、 機械生命体のなかに団長であったものがいたとでも言うのだろうか。

唯一の希望は旧市街西端に残されていた円状配置の石だ。

あれはムーンゲート生成を補助する魔術的装置ではないだろうか。 団長が赴いた刻にそこにムーンゲートがあったのだとすれば、 生存の可能性も残されていよう。

5. エクソダスの生成に関する考察

我らは旧市街にて、 エクソダスと推定する化物と抗戦した。

しかし、 狭い回廊で構成されるダンジョン内で生成されたとするには余りに巨大だった。

我らが未だ発見していない巨大な区画が存在するという可能性も否定できないが、 旧市街の物質を利用して生成したと考える方が妥当だろう。

中核にはネクサスが活用され追加外装で巨大化したのかもしれない。 そうであれば、 エクソダスは幾度でも再生産可能ということになるではないか。

私は、 この可能性に怯え、 いま忘れ去ろうと努力しているところだ。

6. 朽ちた日誌に関する考察

私は、 混沌主義者であり、 秩序に抗う者である。 故に此度その偉大なる提唱者であるロードブラックソンの遺志が公になったことを歓喜で迎えたい。

我らが気づいたときには、 ブラックソンは機械に取り込まれ、 歪んだ混沌の精神で破壊を繰り返す存在となっていた。 王位へ執着を強める様子から記されたこの日誌は、 我らの知り得ていた国政の重鎮ロード・ブラックソンが反逆者へ名を落とす経緯を知る為の重要文書である。

そして、 王室で孤立していたブラックソンがただ独りエクソダスへ立ち向かったことが明らかとなっている。

彼こそ、 苦悩ゆえにブリタニアで最も早くエクソダスの接触を許し、 最初に危険性を察知して戦った人物であろう。

6-1 ケンタブリジアン
ブラックソンは日誌で奇妙な言い回しをしている。 これは、 地球でイギリスケンブリッジの民を意味する言葉であり、 ブリティッシュの生まれ故郷である。

おそらく王座が空位になったことを受け、 あえて王と呼ぶことを避けたのだろう。

ブラックソンの王位に対する思いが強まっていたと示唆している。

6-2 ムーンゲート生成と崩壊に関する考察

イルシェナーにおける名誉のムーンゲート爆発とエクソダス討伐の奇妙な時期の一致は、 イルシェナー世界のムーンゲート生成にエクソダスが関与していたと示唆している。 しかし、 デュプレの言葉を合図にした如き同期に対してデュプレ自身の意図的関与があったことも否定材料を得ない状況だ。

−ギルフォーン
イルシェナーへの回廊すなわちムーンゲートを発見した人物として後世に名を残す人物。 しかし、 発見の過程で介入があったようだ。

それはシャドウロードであった、 と噂されているが、 その真意は明らかとなっていない。

しかし、 この開通が後にエクソダスの災禍をブリタニアへもたらしたことは言うまでもない。 謎は、 歴史を遡りイルシェナー発見に至るのか、 あるいは我らが発見するよりも過去、 反逆者たちの時代にまで遡ろうとしているのだろうか。

6-3 力の供給源に関する考察

エクソダスには力の供給源が存在する。

これはエクソダスの生産可能性を示唆する有力な裏付けである。

しかし、 その供給源とは何であろうか。

観測されたムーンゲートの爆発に手掛かりがあるかもしれない。

力を他世界から搾取しているとすればどうだろう。 ムーンゲートこそがその供給装置の役目を担っていたとすれば。 イルシェナーと交流を開始した刻にエクソダス再生の鼓動は始まっていたのだとすれば。

ムーンゲートの爆発事件は、 エクソダスが破壊され、 行き場を失った力の氾濫と考え得ないだろうか。

この仮説を支持するならば、 恐ろしい事実に行き当たる。 今回のエクソダス破壊で異常の生じたムーンゲートは名誉ひとつである、 との事実だ。

ああ、 残されたるムーンゲートによって供給する力は何処に。

我らが倒し破壊したエクソダスは、 最後のエクソダスではなかったのだろうか。

投稿者 Siel Dragon : 2012年06月26日 19:18