2006年02月10日
対人戦調整の草案

対人戦調整の草案が発表されました。

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2006年2月10日 対人戦調整の草案

対人戦調整草案の三要素
対人戦調整にむけた主要六項目
対人戦調整にむけた副次二項目
対数的漸減の再提案
対人戦調整の開発諸順序

MrTact)
以前私が対人戦の再調整を提案した際には確約を迫られ、非難を浴びる結果となった。皆さんが懐疑的に受け取ったのは私個人の考えでは無価値に過ぎなかったからだ。この教訓から私は首尾一貫した計画の全体像が出来上がるその日までは計画について口を閉ざそうと決意していた。そして本日、その日を迎えたのである。

今回の投稿には以下が盛り込まれている。
A) 我々の目指す包括的な戦略目標
B) 目標の前段階として実施する変更
C) 実施する変更の論理的根拠

我々は諸君らのフィードバックに期待を寄せているよ。

我々が解決を目指す問題項目(対人戦調整にむけた主要六項目)

1) 戦闘に要する時間が短すぎる
これは単純な計算問題に起因している。ダメージの算出は今現在基礎ダメージの12倍に及ぶ可能性があるのに対し、ヒットポイントの算出は55から125である事から概ね3倍以内に収まっているのだ。ダメージの最大値を引き出した場合には如何に属性抵抗を最大値としていようとも数撃で討たれるという事は容易に判るだろう。スタミナ値が攻撃速度を補正する事により状況は更に悪化している。ゲーム内に存在する武器の60%がゲーム上の最高速度(1.25秒)で攻撃する事が可能なのだ。これはヒットポイントを自動回復するサードパーティツールを用いていなければ、ステルス状態の敵から闇討ちされた場合に3秒間で討たれてしまう事を意味している。

2) スキル構成ごとの不均衡
これは多岐に渡る問題に起因しているのだが、プレイヤーがゲーム上でおかしいと捉えているものの多くはこの項目に分類され得る事が判った。指摘には自分のキャラクターのスキル構成に対する贔屓に寄るものもあったが、理に適った指摘も見受けられた。

この問題は後述する基礎的土台が整備され次第、一覧化しバグとして扱っていくつもりだ。与え得るダメージ値とスペシャルムーブの観点からあらゆるスキル構成に競争力を持たせる事が目的である。

3) アイテムへの過度の依存
今現在はアイテムへの依存が高過ぎる状況にあり、高プロパティのアイテムを用いてキャラクターのステータスは元よりプレイヤーの技術を補う事すら可能としている。アイテムのそうした要素は確かに適切な側面でもあり、そうでなければアイテムの価値は失われてしまうだろうし、望もうが望むまいがウルティマ オンラインはアイテムを基盤とするゲームである。しかしながら、私自身は道具が技術を不要とする程有益であってはならないと捉えている。

4) 分析及び不均衡是正に役立つツールがない
その言葉通りの意味だ。私は今回の調整で包括的な戦闘システムの革新としたいが、過去の歴史を見る限り難しいだろう。この茨の道を進むに当たり、次に取り組む事を志す者が現れたときに備えて数多くのスプレッドシートを残しておきたいと考えている。

5) サードパーティーツールによるチート、不正行為、ハック
これも言葉通りの意味だ。パブリッシュ40で大々的に行う事はないが、今後のパブリッシュで取り組んでいく事になるだろう。

6) 対人戦に目指すべき目的設定がない
派閥システムは著しく破綻を来たしているし、フォーラム上で指摘を受けたように過去のフェルッカ世界へ人々を呼び戻そうとした試みは全て対モンスター戦や生産に主眼を置いたものであった。

我々は人々が互いに戦おうと考えるような魅力に溢れ有意義なシステム構築を目指しているが、残念な事に今回のパブリッシュではその域にまで達する事はできない。

副次的な課題(対人戦調整にむけた副次二項目)

1) 対モンスター戦を破綻させてはならない
但し対人戦調整に伴う対モンスター戦変更は行わないという意味ではない。

2) 現状よりもプレイが難しく、判り辛いようにはしない
可能な限りプレイし易く、判り易いものにしていく。

対数的漸減の再提案

過去にこの対数的漸減の導入を提案した経緯があるのだが、恐らく諸君は私が目指すものが何か判らず困惑したことだろう。今一度判り易く解説しよう。

対数的漸減とは数値の積み重ねに従って実際の効用割合を減少させていくという考え方だ。これはステータスの過剰高騰を抑制することを目的としたメカニズムであり、従来の上限設定に代わるものだ。勿論対数的漸減には課題も残されているのだが、それは漸減のアルゴリズムが判り辛いものにしてしまうとプレイヤーの混乱を引き起こしかねないという事にある。私は目指すべき結果を導き出せ得ると考えているし、大半のプレイヤーがこのアルゴリズムを扱え得ると想定している。

各ステータスの漸減には「限界点」と「間隔」という二つの要素が関わってくる。

「限界点」とはステータス上の数値と効用の増加量が等比率で対応する為の上限に当たり、例えばSTR、DEX、INTの「限界点」は125に設定されるだろうが、この「限界点」を突破する事によって効用の漸減が開始されるのである。

「間隔」は比喩を提示した方が理解し易いだろう。納税に於ける階層概念を想像してもらいたい。税金は階層が上がるにつれて上昇していくが、同階層内に収まれば税率は固定されており、階層内で最も少ない数値と同様に扱われるだろう。ここで先の例を継承するとSTR125にアイテムを装備する事で総計が135となったとしよう。「限界点」は125だからSTR125は等比率で得られる。ここで「間隔」10、減少率25%と仮定した場合、126から135までの10ポイントは25%の減少を受けて実際には7.5ポイントとして反映され、更に小数点以下が切捨されることで135となるところがSTR132となるのだ。

「間隔」ごとの漸減は3/4、2/3、1/2、1/3、1/4となっていき、5番目の間隔以後は継続して1/4となる。先の例を再び継承すると、135から更にストレングスポーションを飲む事により15ポイントを加算した場合、最初の10ポイントは2/3の漸減を受けて6.67ポイント、更に残る5ポイントは1/2の漸減を受けて2.5ポイントとなる。漸減されない場合には150ポイントとなるのだが、実際には漸減される事で「限界点」以後は16ポイントしか上昇せずSTR141となる。

このような手法は混乱を引き起こす可能性がある事は承知しているし、私の意図とは異なる結果を生じる可能性だってある。しかしながら、テストセンター上の検証を通してその有用性が立証されるだろうと楽観しているよ。また、対数的漸減を判り易く提示する方法も模索している最中なのだが、具体案が固まるまでは詳細には触れずにおこう。

対人戦調整の開発諸順序

ウルティマ オンラインの不均衡是正に向けて諸段階で行っていこうと考えている開発の概要を用意した。その趣旨は問題を整理し戦闘システムの基盤を固めることにある。これには二つの利点があるのだが、第一にプレイヤーがウルティマ オンラインをより簡単に理解できるようになる。そしてウルティマ オンラインのメカニズムが統一的に動作する事でデザイナーの調整が容易になるのだ。

第一段階: 「攻撃速度」の変更
全武器の攻撃速度を従来の数値から一度の攻撃に要する秒数に変更する。武器の基本速度はスタミナ100のキャラクターが攻撃に要する時間を設定した上で3単位時間(0.75秒間)を加算して確定する。また、スタミナと速度プロパティが武器の攻撃速度に与える影響の仕様にも変更を行うつもりだ。現状の計画ではスタミナ40ごとに攻撃速度を1単位時間(0.25秒間)減少させようと考えている。これはスタミナを100から200に上昇させたとしても攻撃速度が半減する事はなく2、3単位時間しか減少しないことを意味する。

「速度」プロパティは従来のパーセンテージによる乗算処理ではなく加算処理とし、従来の30%はスタミナ30相当とする。数値の漸減を受ける場合を除いてね。スタミナの「限界点」と「間隔」はまだ検討中だが、まずは「限界点」120、「間隔」20から検証を行っていこうと考えている。

攻撃速度が3単位時間時の状況も検証するつもりだ。3単位時間は弓師が立ち止まらねばならない時間に相当するからね。

以上の結果、ボーナスを含めたスタミナ120の状態で攻撃速度は一定となる。スタミナが低くて攻撃速度が遅すぎるような状況も、スタミナが高くて攻撃速度が速すぎるような状況も生じることはなくなるはずだ。

第二段階: 「ヒットポイント」「ダメージ」「抵抗」の変更
「ヒットポイント」はSTR+50で検証されるだろう。それはヒットポイントを平均ダメージの5倍から8倍、すなわち5発から8発の攻撃に耐え得る値を想定したのだ。

「ダメージ」増加はその大半を加算型へ変更する。今現在計画しているものには以下が挙げられるよ。

1) STR10毎に1増加
2) 戦術スキル10毎に1増加
3) 解剖学スキル20毎に1増加
4) 武器ダメージ+10%毎に1増加
5) 一般的なスペシャルムーブによる増加10%毎に1増加

「ダメージ」増加は「限界値」10、「間隔」10と設定する。今現在は武器の基本ダメージに対して大幅な変更を行う予定はない。その結果、ダメージ最大値は属性抵抗による減少を行う前の状態で60から70に抑えられるはずだ。

「属性抵抗」は「限界値」10、「間隔」10と設定する。特定のスキル(今のところ武器学を候補に挙げている)で属性抵抗の上昇を検討しており、これは漸減が行われる前の数値に直接加えられる。今後は全属性抵抗70の装備を身につけたとしても武器学スキルなしでは37%となるだろう。武器学スキルによって属性抵抗が200加算(現状では達成不可能だが)されれば全属性抵抗70%となり得る。「ダメージ」は属性抵抗40%台の装備であっても生き残れるように調整するつもりだ。もちろん、重装魔道師となりたければ可能なのだが、その為にはスキルに余裕がなければならない。

また、武器学スキルによる属性抵抗の加算は身につけた防具に基づいた上限が設定されるだろう。スキルだけで充分な防備が適うことはなく、重装を誇る為には実際に重い防具に身を包まねばならないのだ。更に重い素材で作られた防具はマナ回復とステルスとで不利に働いてしまうようになるだろう。重装魔道師になることは可能だが、それは茨の道というわけだ。

「魔法抵抗」スキルの属性抵抗値の最低値保証は廃止されるが、後述の段階で修正する予定だ。

第三段階: 「回復」の変更
「回復」に変更を行う前提条件は戦闘の長期化により、回復手段に制限がなければ材料が尽きるまで戦闘が継続してしまうかもしれないという事にある。我々が「回復」手段に対して試みようと考えているのは連続回復の際にその効用を減少させていくという手法だ。この減少効果は回復から一定時間の間に再度回復を試みた際に適用され、累積するだろう。一例を挙げると仮に25%ずつの減少が行われるとすれば4度目の回復でしばらくは全く回復できない状況となる。

「包帯治療」は開始直後から回復が始まり、時間経過と共に回復していくように変更される。この趣旨は連続回復時の不自由が生じる埋め合わせとして包帯治療を利用し易いものとする事にある。判定時間内の回復量はスキル値に応じるし、回復途中にダメージを被るとダメージ量に応じたスキル判定によって治療の妨害を受ける。

その他の回復手段に関しては大幅な変更はないだろう。ポーションは利用も容易でスキルも必要とはしない為、回復値が減少する時間は長く設定する事となるだろう。呪文や霊話による回復に関しては実装が決まった際に検討しよう。

第四段階: 「呪文」の変更
呪文はプレイヤーとデザイナー双方にとって武器との比較を容易にする為に同様の動作をするように変更する。魔法スキルの呪文は既にそうした動作をしているのだが、その他の呪文に関しては今現在用いているある意味奇妙とも言える手法を排しダイスと加算による判定に切り替える。ちなみに魔法スキルの呪文の基礎ダメージは戦士関連スキルによる一秒間当たりのダメージと比較し不均衡が生じぬよう若干減少させるだろう。

「時間経過と共にダメージを与える」類の呪文は持続時間、間隔当たりのダメージ量、そしてダメージを与える間隔の均等化が図られる。時間経過と共にダメージを与える間隔が短くなるといった不可解な挙動はしなくなるよ。

「呪文の詠唱時間」は武器の攻撃速度同様にスタミナによって増減するようになる。これにより魔道師はDEXに価値を見出すようになるだろう。DEXは今現在の不均衡を生じている主要因のひとつに挙げられている。戦士はスペシャルムーブにマナを要する為3種のステータス全てを必要としているが、魔道師はINTさえあれば攻撃手段を確保し得る為残りの数値を全てSTRに割り振る事ができているんだ。

ファストキャストとキャストリカバリは速度プロパティが攻撃速度に影響を与えるのと同じ手法で対数的漸減を受けつつスタミナへ加算される。既存のファストキャストとキャストリカバリは効用を幾分高め、スタミナ20相当或いは40相当とするつもりだ。

呪文のダメージ増加に関しては武器同様の挙動にする。

1) INT10毎に1増加
2) 知性評価スキル10毎に1増加
3) 書写スキル20毎に1増加
4) 「呪文ダメージ」プロパティ10%毎に1増加

呪文によるダメージは武器によるダメージ同様に「限界値」10、「間隔」10と設定する。

「魔法抵抗スキル」は受け流しスキルが武器による攻撃に対して働く効果と同様に呪文による攻撃に対して働くようにする。ここに挙げる呪文にはネクロマンシーやスペルウィービングも含まれるが、騎士道、武士道、忍術の特殊能力には及ばない。

「永続効果型」の呪文に関しては他の手法で不均衡を是正するのではなく、効果を維持する為に対価を要することにする。特にここで考慮しているのは防御系の永続効果型呪文だ。例えばリアクティブアーマは今現在物理属性抵抗を引き上げる代わりに他の属性抵抗値が低下してしまうといった効用を備えているが、他の物理属性値を低下させず効果の維持に毎秒2のマナ消費を行うようにするんだ。我々はステータス上昇或いは低下といった他の分類に属する永続効果型呪文にもこの手法を試してみようと考えている。

「ワンドや巻物を利用した呪文」もスペルブックを介した呪文同様の制限を受けるべきだ。現時点ではこの件をどのように対処するか具体案は確定していないが、対処しようと考えている。特に通常受けるべき遅延時間を回避することを目的にワンドや巻物が利用されるようなことがあってはならない。

現時点では「秘薬低減装備」に変更を加える計画は挙がっていない。

第五段階: 「ステルス」の変更
ステルスは有用な時期と無用な時期を繰り返すという歴史を歩んできた。今現在は極めて無用なスキルに位置づけられる時代と言えよう。一歩毎にスキル判定が行われる事により探知スキルを備えるモンスターの脇をすり抜ける事は極めて困難となっているのだ。我々はより良いバランスを模索していく。

「煙玉」は再使用に制限時間を備えることとなりそうだ。私は制限時間の設定という手法は好まないのだが、煙玉のように効果の是非しか存在しないものへの対処手段が他に思い浮かばずにいる。それほど厄介な時間設定はするつもりがなく、恐らく10秒間程度となるはずだ。

「デスストライク」の追跡ボーナスは使用者の追跡スキル値に応じた上限を設定するだろう。

*データ消失により復旧中*

投稿者 Siel Dragon : 2006年02月10日 22:59
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